‘24年7月14日(日) 新1000円札の顔となった医学者、 北里柴三郎の名字は、 出身地の熊本県小国町で 「きたざと」と呼ばれている。 同町にある北里柴三郎記念館も 「きたざと」が公式の読み方だ ▲一方、北里研究所、北里大学などの 読み方は「きたさと」。 北里柴三郎記念博物館(東京都港区) によると、明治期にドイツに留学した 際に北里は「きたざと」と読ませるため、 ドイツ語の発音を意識して「kitasato」の つづりにした。 帰国後もこの表記を続けたため、 ローマ字読みの「きたさと」が浸透したのだ という ▲破傷風菌の純粋培養や血清療法などの 業績を残した留学時代が、名前の読み方 にも影響した北里である。 帰国後は「かっけ」の原因を巡る論争などで 母校の東大からにらまれ、一時は不遇だった ▲そこで、福沢諭吉が物心両面で北里を 支援した。福沢の死後、 慶応大学部医学科(現慶応大医学部)