<理不尽な事件が起きたとき、日本では犯人の異常な人格やそれを形成した境遇に原因を探すことが多いが、そのアプローチには限界がある。「逮捕されてもいい」と考える犯罪企図者の犯行を防ぐ効果的な対策はあるのか> 6年前の7月、相模原市の障害者施設で元職員が入所者19人を殺害した。その3年後の同じ7月、京都市の京都アニメーションのスタジオが放火され、社員36人が死亡した。いずれも、逮捕されてもいいと思って犯行に及ぶ「自爆テロ型犯罪」だった。 昨年10月のハロウィーンの夜には、悪のカリスマである「ジョーカー」に似せた服装をした男が京王線の乗客の胸をナイフで刺し、オイルに火を付けた。これも自爆テロ型犯罪である。 今年に入ってからも、1月の大学入学共通テストの朝、東京大学の会場で高校生が受験生と通行人を刺し、先月には、川越市のインターネットカフェで男がアルバイトの女性を人質にとって個室に立てこもった。これ