スリップ・コーチ(英語: Slip coach, Slip carriage)とは、鉄道車両のうち、走行中の列車から解結(突放)することが可能な客車(コーチ)を指す。主にイギリスやアイルランドで用いられた。 北米ではフライング・スイッチ(Flying switch)とも呼ばれる。 概要[編集] 走行中の列車から切り離されたスリップ・コーチ 鉄道会社同士の競争が激しかった時代、各社とも所要時間の短縮に努めていた。スリップ・コーチは、途中駅への停車を可能な限り減らす目的で開発されたものであった。 急行列車が目的の駅に接近すると、スリップ・コーチは車掌の操作により列車から切り離されて惰性で走行し、車掌のブレーキ操作によって駅に停車する。目的の駅で急行列車がプラットホームのない線路を通過する場合、スリップ・コーチは駅の少し手前で停車し、入換機関車でプラットホームまで移動させていた[1]。また、複数