「私が死んだら、赤いシャクヤクの花を墓に手向けて」。ミヒライ・エリキンさんが友人宛てのメッセージに残した最後の言葉だ(写真はイメージカットです) 中国新疆ウイグル自治区でイスラム教徒の再教育を名目に、ウイグル人が収容施設に送られ、その数は100万を超える―。まるで別世界の出来事のように聞こえるかもしれない。だが、日本にも家族を施設に送られたと訴えるウイグル人が数多くいる。昨年、記者の元に在日ウイグル人の知人から「日本に留学していた女性が中国に帰った後、治安当局に拘束され亡くなった」との情報が寄せられた。関係者の証言を頼りに女性の足跡をたどると、父親が収容施設に送られたとの知らせを受け、心配から帰国の途に就く姿があった。女性の消息は今も分からないままだ。(共同通信=上松亮介) ▽夢は教育者 NPO法人「日本ウイグル協会」などによると、女性は同自治区カシュガル出身のミヒライ・エリキンさん(31