強制不妊手術を受けた個人名記載の資料は、兵庫県公館の資料館で保管されていた。1人分の手術の実施報告書(左下)と、23人分の名前や疾患名の一覧表が見つかった(画像の一部を加工しています)=2018年 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の全記録を神戸家裁が廃棄していた問題を受け、文書管理の在り方が改めて問われている。兵庫県内では司法機関だけでなく、自治体でも公文書に対する認識の甘さが問題となってきた。 ■確認しない、ずさんな調査 県では2018年、旧優生保護法(1948~96年)下で障害者への強制不妊手術が繰り返されていた問題で、被害者の特定につながる記録は一貫して「見つからない」としていたが、救済を求める弁護団が県公館内の県政資料館で発見した。 県は強制不妊問題が全国的にクローズアップされ始めた18年2月、県政資料館の担当課に資料の有無を問い合わせたが、「ない」と報告を受けた。その後、国