【第24回】はこちらをご覧ください。 「頭の骨が折れたかもしれない」と叫び、倒れる 「頭が痛いよ! 痛くてたまらないよお!」 息子がこんな叫び声を上げながら家に戻ってきたのは、春休みも終わり近くを迎えた4月初旬の夕方のことだった。 その日、僕は前月から連日のように続く激務で体調がおかしくなり、職場を早退させてもらって、家のソファでうとうとと寝ていた。そこへ息子の大声が聞こえてきたのだから、びっくりしたのも無理はない。すぐに飛び起きて玄関に駆けつけた。 「おい、どうしたんだ? 大丈夫か?」 息子はかろうじて靴を脱ぎ、家に上がったところだった。顔色は真っ青、じっと立っていることができない様子で、ふらふらと身体を揺らしている。驚いている僕に、息子は言った。 「道を歩いていたら、自転車が前から突然、猛烈な勢いで僕の方に突っ込んできて、轢かれそうになったんだ。避けようとしてパッと飛びのいたら、塀の角