Tokujin Yoshioka, lit by his work 'Crystallize' 2013年11月19日 (火) 掲載 画家が「光を描きたい」と追いはじめて100年あまり。吉岡徳仁も「光」を求め、表現してきた。この秋、東京都現代美術館では展覧会『吉岡徳仁—クリスタライズ』が開催されている。エスカレーターで展示室へ降りると、氷の中にいるような、霜に囲まれたような感覚に襲われる。自分の居場所がどこかさえつかめなくなるような空間が広がるインスタレーション。驚かされたのは、身体を取り囲む空間だけではない。水が張られたキャビネットの中では結晶が生成され、空気が吹き込まれてあたかも呼吸しているかのようだ。500個ものクリスタルプリズムを集積してつくられた『虹の教会』は、館内の吹き抜け空間に自然光を届けている。美術館に広がる白い世界で自分の存在を見失い、感情を揺り動かされたひと時。この感情