「安全基礎体力」という言葉、耳慣れないかもしれませんね。これは、防犯教育の専門家である清永奈穂さんたちが名付けた、子どもがいざというときに自分で考え、判断し、自分の身を守ることができる力のことです。怪しい人に声をかけられても「嫌です」ときっぱり断ることができ、危ない目に遭いそうになったら走って逃げる。このような安全基礎体力は、いつ、どんなふうに教えればよいのでしょうか。赤ちゃん時代から幼児期に教えたいことを聞きました。 「安全教室」の体験を生かし、危険から逃げることができた小学校1年生 各地の小学校や幼稚園・保育園などに出向き、子どもの安全基礎体力を育てる「体験型安全教室」を開いている清永さん。この「安全教室」が実際に役に立った事例があったと話します。 東京都内の幼稚園で「体験型安全教室」に親子で参加した男の子Aくん。教室では、腕をつかまれたとき、相手の手の親指と他の指の隙間を切るように腕