捨てられたイヌやネコなどを保護する横浜市動物愛護センター(神奈川区)が、動物用サプリメントの商品化を目指す業者の依頼で、収容中のイヌを使って実験をしていたことが分かった。業者は愛護センターの実験データを省いた上で、十月にも商品化する予定。市は「営利目的の調査を受け入れたのは不適切だった」としている。(中沢誠) 実験は、イボや皮膚病のあるイヌやネコに、ハトムギの種子のエキスを投与して効果をみた。東京都目黒区のペット関連会社の代表者が、人の美容向けの健康食品を、皮膚病の動物の栄養補強に活用しようと考え、動物病院などに実験を依頼していた。 会社の代表者は昨年十一月、大学の同窓だった愛護センターの五十代の獣医師にも依頼。獣医師は上司の担当係長の了解を得ただけで、公益性や安全性などの検討をせず、市の決裁も受けていなかった。 実験のイヌは、愛護センターで収容している動物から脱毛やイボのある三匹を選んだ