国連は20日、2011年の先進国の途上国援助(ODA)が14年ぶりに減少したと発表した。子どもの死亡率削減といった2015年を期限とする国連ミレニアム開発目標(MDGs)の完全な実現が危うくなるとしている。 20日発表した報告書によると、経済協力開発機構(OECD)に加盟する先進国の2011年のODA額は1335億ドル(10兆4千億円)で、1997年以来初の減少。08年のリーマンショック後の景気低迷と欧州債務(借金)危機が影響した。 国連は、先進国に国民総所得(GNI)の0.7%をODAにあてるよう求めているが、実際は0.31%にとどまり、1668億ドル足りないと強調。自由貿易による恩恵を途上国に広げることを目指す、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の失敗にも言及し、加盟国により一層の努力を求めた。(前川浩之)