【石川智也】憲法が保障する「表現の自由」とは何か――。差別的なヘイトスピーチ(憎悪表現)デモが問題化するなか、そんな議論が高まっている。街角やネットで在日韓国・朝鮮人への侮蔑を繰り返す若者と、「市民」としてそれに抵抗する男性とに、話を聞いた。 ■「公益と秩序のため」 「劣等民族」「害虫」「奴隷の子孫」……。画面に不穏な言葉が並ぶ。 茨城県南出身で今は都内に住む20代の会社員男性は、主に韓国や北朝鮮、在日コリアンについての「所感」を、3年前からツイッターで発信するようになった。竹島や朝鮮学校の高校授業料無償化、歴史問題などにテーマが及ぶと、さらに言葉が激しくなる。知識の仕入れ先は、高校生のころに読んではまった「嫌韓流」という漫画という。 「ネットだから遠慮はいらない。日本人はお人よし過ぎる」 仕事を終えた夜には、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)のデモの動画を見て、視聴者コメン