大学時代の6年間、そもそも外食できるところがない田舎だったから、ずっと自炊をしていたけれど、今から思うと、あれは自炊ができていたとは言えなかった。 冷蔵庫にあるものを眺めて、とりあえず食べられる何かを作る、あるいは料理の本を眺めて、材料を揃えて何かを作ることならば、当時の自分にだってできていた。ところが気がついたら冷蔵庫は空っぽだったり、料理の本を眺めて、材料をそれから買い出しに行く必要があったり、そうした遠回りは、6年間変えられなかった。 「できる」の深度 そこにある材料で、一人分のご飯を作れる人は珍しくない。1年間を通じて、そこそこバランスのとれた食事を作れるだけの材料を、常に「そこ」に準備しておける人はほとんどいない。 手段が容易であることは、運用が容易であることを意味しない。手段にどれだけ通じたところで、運用の考えかたは、もしかしたら出てこない。 映画では、スタローンやシュワルツェ
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン ロジスティクスという言葉は、軍事用語の「兵站術」をビジネス用語に転用したものだ。軍事や戦史に関して筆者は全くの素人ではあるが、その研究者や資料・文献から学んだことは多い。 とりわけ第2次世界大戦は、アメリカをはじめとする連合国と日独伊の枢軸国によるグローバルロジスティクスの闘い、「グローバル補給戦」だったと言われている。 それまでの戦争が基本的に決戦場における指揮官の采配や軍隊の士気に勝敗を左右されていたのに対し、第2次世界大戦では必要な兵隊と物資を決戦場に送り続けることのできたほうが勝った。作戦の優劣以上に兵站術が大きかったという評価だ。 そのため、戦い方としては、資源の調達から軍需工場での生産、そして決戦場に至るグローバルなサプライチェー
もう何年も前になるが、「生産革新フォーラム」で診断士仲間と長野まで工場見学に行ったことがある。自動車関係の電装部品を作っている会社だった。そこではトヨタ系の指導を受けてジャスト・イン・タイム生産を心がけ、さまざまのカイゼンと工夫を製造現場でしていた。U字型レイアウトのセル生産ラインでは、女性工員が混流・一個流しの部品をてきぱきさばいていて、手際の良さに驚かされるとともに、歩幅や部品を取る手の位置まで最適化した機械配置に感心した。 その会社では、納入先からの指図はカンバンで受け取り、そして部品購入先への指示もまたカンバンで行う。工場ではカンバンを受け取ったら、それを指示棚に「差立て」する。棚は時間帯別になっていて、職長が順番にそれを実行していく。このとき、あえて同種の部品のカンバンは時間帯をばらして置いていく。4枚あったら、9時・11時・14時・16時、という風に置くのである。トヨタ生産方式
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く