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ブックマーク / brevis.exblog.jp (24)

  • ロジスティクスと兵站の間 | タイム・コンサルタントの日誌から

    SCMのコンサルティングを主にしていたとき、最もよくぶつかった誤解は、『SCMって、ロジスティックスすなわち物流の改善のことでしょ?』というものだ。この誤解は関門のようにSCMの入り口に立ちはだかっていて、まずこれを崩さなければサプライチェーンの中核問題の解決に踏み込むことなどおぼつかない。 この短いが典型的なセンテンスは、じつは少なくとも3種類の誤解が蔓草のようにからみ合って出来ている。それは、 (1)サプライチェーン = ロジスティクス、という誤解 (2)ロジスティクス = 物流(輸送)、  という誤解 (3)マネジメント = 改善、       という誤解 の3種類である。 こうした誤解の生まれる背景には、ロジスティクスという概念のわかりにくさがある。最近でこそ、この言葉は誰もが知るポピュラーなものになったが、'90年代の中頃くらいまでは、「ロジスティクスとはそもそも兵站のことで・・

    ロジスティクスと兵站の間 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 計画技術者の目から見た「計画停電」 | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしはエンジニアだ。調査票やアンケートにもそう記入する(選択肢があれば、だが。無い場合はしかたなく「会社員」を選ぶ)。工学部の大学教育を受け、エンジニアリング業界で働き続けている。職場で周囲を見渡しても技術屋ばかりだ。 何の専門のエンジニアか? と聞かれたら、わたしの場合は相手の立場を見て答えを決める。まったくの素人さん相手なら、「プラント関係の仕事です」と答えるだろう。これで相手は分かった気になる(らしい)。理工系相手なら「大学の専門は化学工学です」と答えたいところだが、8割以上の人は『カカクコウガク』というものが分からないので、白衣を着てビーカーを振っているように思うらしい。自慢じゃないが白衣なんて中学以来着たことがない。でも、これが英語での質問なら、"I'm a chemical engineer."でピタッと理解される。英米では、mechanical engineerと並んでメジ

    計画技術者の目から見た「計画停電」 | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2011/03/21
    供給エリア毎に「使用量」と「供給可能上限」とを、リアルタイムに「見える化」
  • 「ITって、何?」 第15問 システムの値打ちは何で決まるの?(1/2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    << IT投資対効果の話 >> 「ねえ、でも、今までのあなたの説明はみんなシステム作りの値段がいくらかかるか、みたいな話だったわ。私が聞きたいのは、そうじゃなくてシステムの価値なのよ。」 --え? 質問の意味がわからない。値段がその価値じゃないか。 「値段と価値は違うわよ! 値段て結局は売り手のコスト勘定でしょう? 私がいってるのは買い手にとっての価値、つまりシステムの値打ちなの。百万円のドレスだって、自分に似合わなかったら一文の価値もない、ってことがあるじゃない。そこよ。」 --買ってみたけれど、やっぱり気に入らないから使わない、あるいは自分のニーズにぴったり合っていないから使わない、というケースはたしかにITの世界にもあるね。しかし、使う使わないは、ユーザの自由だからな。 「それはあなたが作り手の側にいるから言える、勝手な理屈だわ。情報の値段の時も同じような話をした気がするけれど、体に

    「ITって、何?」 第15問 システムの値打ちは何で決まるの?(1/2) | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2011/02/12
    ITの世界には『ガーベッジ・イン、ガーベッジ・アウト』という言葉がある。クズのデータを入力すればクズの結果が返ってくる、という意味
  • クリスマス・メッセージ: 子どもの国から抜け出そう | タイム・コンサルタントの日誌から

    Merry Christmas ! 生まれて初めて乗った飛行機は、旧ソ連のアエロフロートだった。大学を卒業し社会人になる直前の3月、いわゆる卒業旅行に出かけたのである。ドイツにいた知り合い(父の部下)のNさんを頼って、モスクワ経由でフランクフルトを訪れたのだ。Nさんは忙しいさ中にもかかわらず、わたしをいろいろな場所に案内してくれた。 その中で最初に印象に残ったのは、じつは鉄道の駅だった。フランクフルトの中央駅だった思うが、遠くからの列車が発着するホームが多数並んでいる。驚いたのは、改札も何も通らずに、いきなりホームの列車まで行けることだった。そもそもヨーロッパのこの種の駅は、改札が無いのだった。「切符は?」とNさんにたずねたら、「もちろん買って乗るのさ」と窓口の並びを指さしてくれた。 しかし改札がないんじゃ、すぐ隣の駅までの切符を買って遠くまで乗るインチキもできるじゃないですか。それどころ

    クリスマス・メッセージ: 子どもの国から抜け出そう | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/12/25
    子どもは、自分のしたいことをする。大人は、自分のすべきことをする。
  • 見えないパワーシフト - 生産から販売へ | タイム・コンサルタントの日誌から

    '90年代のはじめ頃、私たちの社会に目に見えない地殻変動があった。それは、人口階層ならびに学歴階層の変化である。それらはもはや、底辺の層が厚く頂点に近づくほど数の減るピラミッド型の構造から外れてしまっていた。ところで戦後から高度成長期にかけての日企業を支えた組織体制は、じつは組織階層のピラミッドと人口・学歴のピラミッドの“三角形の相似則”を基に成り立つ、「終身雇用制・学歴制」だった。しかし、この相似則は'90年頃を境に成立しなくなったことを統計が示している。 にもかかわらず、企業社会は成果主義年俸制や派遣労働依存といった小手先の人件費対策で問題を繕おうとし、環境変化に応じて自らを変革することに失敗した。--これが、私たちの経済を長く覆う不調と不協和音の根源についての、わたしの推論の一つである。 関連エントリ:「組織のピラミッドはなぜ崩壊したか」 「組織のピラミッドはなぜ崩壊したか(2)

    見えないパワーシフト - 生産から販売へ | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 「ITって、何?」 質問4 定型と非定型はどこがちがうの? | タイム・コンサルタントの日誌から

    << 「セミIT」と選択肢の話 >> 「ねえ、そうすると、情報技術がいま説明してくれたようなものなら、利用者はもうデータの事は気にかけなくてもいいわけね?」 --とんでもない。その逆さ。 もちろん、データの事は気にかけずともITを利用する事はできる。たとえば女子高生の携帯メールみたいにね。一対一の情報糸電話だったらそれでも結構。 でもね、もしも情報技術をもっと上の次元で、うまく利用したければ、自分の情報をいかに機械の扱いやすい定型化した形式に持ち込めるか、が鍵となるわけだ。そしてまた、データから意味のある情報をくみ取るスキルがもう一つの鍵となる。 人間は情報をデータの形にして機械に処理させ、機械のもつデータから情報を取り出す。このサイクルをうまくつくることこそ、IT利用の最大の勘どころなんだ。 「なんだかまだ話が抽象的でよく分からないわね。“自分の情報をいかに機械の扱いやすい定型化した形式

    「ITって、何?」 質問4 定型と非定型はどこがちがうの? | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 戦略シンドロームと改善病 | タイム・コンサルタントの日誌から

    もう何年も前になるが、「生産革新フォーラム」で診断士仲間と長野まで工場見学に行ったことがある。自動車関係の電装部品を作っている会社だった。そこではトヨタ系の指導を受けてジャスト・イン・タイム生産を心がけ、さまざまのカイゼンと工夫を製造現場でしていた。U字型レイアウトのセル生産ラインでは、女性工員が混流・一個流しの部品をてきぱきさばいていて、手際の良さに驚かされるとともに、歩幅や部品を取る手の位置まで最適化した機械配置に感心した。 その会社では、納入先からの指図はカンバンで受け取り、そして部品購入先への指示もまたカンバンで行う。工場ではカンバンを受け取ったら、それを指示棚に「差立て」する。棚は時間帯別になっていて、職長が順番にそれを実行していく。このとき、あえて同種の部品のカンバンは時間帯をばらして置いていく。4枚あったら、9時・11時・14時・16時、という風に置くのである。トヨタ生産方式

    戦略シンドロームと改善病 | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/10/26
    すべての局面で同じように勝とうと努力するのは、戦略が無い状態である
  • 「ITって、何?」質問2: ITを理解している人を見分けるにはどうしたらいいの? | タイム・コンサルタントの日誌から

    < データと情報の違い > 「じゃあ、次の質問、いきます。 ITを理解している人を見分けるにはどうしたらいいの?」 --それはいい質問だね。見分ける方法か・・。 そうだな、こういうふうに訊ねてみるといいかもしれない。『データと情報はどこがちがうか?』 この質問にはっきり答えられる人はITの質について洞察をもっている人だ。逆に、いかにパソコンにくわしくても、この質問の意味が分からない人は、ITの意義を理解できていないと思った方がいい。 「データと情報? それって何がちがうの? 同じものかと思ってた。」 --たいていの人は「データ」と「情報」という二つの言葉を、あまり区別せずにつかってる。専門書ですら、ときにはあいまいにしている。しかし、ITを理解する上では、この両者ははっきりと区別する必要があるんだ。 「情報」とは、人間にとって意味をもたらすものさ。人間の話す言葉、書く言葉は意味を伝達する

    「ITって、何?」質問2: ITを理解している人を見分けるにはどうしたらいいの? | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/10/07
    データとは、数字や文字の規格化・定型化された並び
  • 書評 「バーナード 経営者の役割」 飯野春樹・編 | タイム・コンサルタントの日誌から

    バーナード経営者の役割 (有斐閣新書 D 35) 経営学の教科書などを読むと、バーナードの「経営者の役割」は古典として位置づけられている。経営学は20世紀に入ってから形作られた学問で、テイラーの「科学的管理法」、ファヨールの「管理過程論」、それらに少し遅れる形で1938年のバーナードの組織理論が三大基礎と言えるだろう。この3人とも、学者でなく実務家だったのは注目に値する。技師長テイラーの理論はIE(Industrial Engineering)としてフォード・システムの大量生産に組み入れられ、アメリカ産業の発展に大いに貢献したし、仏の資家ファヨールのライン-スタッフ機能やマネジメントをプロセスとしてとらえる思考法は、現在の企業経営の中心にある。 これに対して、ニュージャージー・ベル電話会社の社長だったチェスター・バーナードの斬新な人間観とシステム・アプローチによって生み出された組織論は、

    書評 「バーナード 経営者の役割」 飯野春樹・編 | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/08/29
    バーナードは、『組織』を構成する三要件として、「共通目的」「協働意識」そして「コミュニケーション」を挙げる。このどれか一つでも欠けたら、組織にはならない。
  • あなたの上司はなぜバカなのか? - 矛盾したルールにしばられる | タイム・コンサルタントの日誌から

    その日、私は駐在先企業のキャンティーンで、一人で昼をたべていた。何年か前のことだ。回りにはボソボソと、聞き取りにくいフランス語の響きが満ちている。その中にふと英語の音が聞こえたので、つい耳を傾けてしまった。鋭角な英語の音は、仏語の靄の中を通り抜けてくる。ちょうど穏やかな満ち潮の入江に磯が屹立するように。話の雰囲気からすると、一人は英国人、もう一人は米国人らしい。お互いは知りあいではなく、たまたま出張先のこのフランス企業で顔を合わせたにすぎないようだった。 「近頃は、出張の待遇がきつくなったよな。忙しい日程で、疲れるよ。」 そう一方が言えば、他方も同調する。 「ああ。まったくこの頃のボスときたら、二言目には、Bottom line, bottom line, だ。金のことばかりで、技術のことは二の次だ。」 「うちもだよ。昔はこんなじゃなかったのにな・・。」 エンジニア同士の話は、どこの国で

    あなたの上司はなぜバカなのか? - 矛盾したルールにしばられる | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/07/29
    与えられた尺度の中だけでベストな「正解」を他所に探すのではなく、今よりも広い視野で、あるべきルールの体系を自分の頭で考えてみる
  • 進捗を把握する3つの方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    言葉の通じぬ、見知らぬ土地でタクシーに乗った。こちらの告げた目的地を、運転手は分かったんだか分からないんだか曖昧な態度のまま、車を発進させる。しばらく乗ったところでやはり不安になり、「もう半分くらいは進んだのかな?」と口にしてみる。すると、隣に乗っていた若い後輩が気楽そうに答えた。「もう、2/3くらいまで来ていますよ。」「なんでわかるの?」「だって、メーター見てください。空港からだいたい30ユーロくらいって、言われたじゃないですか。もう20ユーロ分、走ってますもん。」 進捗を把握するのは、簡単なように見えて、案外むずかしい。それは、私たちが『進捗とは何か』を、当には良く理解していないからだ--こう言ったら驚かれるだろうか。無論、このタクシーの例のように、目的地に向かっているかどうか分からないときに、メーターだけ見て進捗を測るのが無意味な事は、誰でも分かるだろう。では、次の例はどうだろうか

    進捗を把握する3つの方法 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 日本メーカの生き残る途 - 元ソニー取締役・金辰吉氏の講演から | タイム・コンサルタントの日誌から

    金辰吉氏と言えば、ソニー中村研究所専務、ソニー・グローバル生産革新部門長を歴任されたのち、独立して、現在は㈱ワークセルコンサルティング代表取締役を務められる著名な論客である。また、'90年代における日企業復活の原動力となった『セル生産方式』の命名者としても、よく知られている。その金氏が、先日の日経営工学会春季大会で「日メーカの生き残る途」と題した特別講演をされ、とても興味深い内容だったので、ここにその聞き書きを記しておきたい。 金氏とは以前、経営工学会の特別委員会で何度か同席させていただいたこともあるが、きわめて率直かつユーモアあふれる物言いをされる方だという印象がある。むろん、ここに記すことは私自身が聴衆として書きとったメモの内容であって、金氏の来の発表原稿や主張と差違があるとしたら、その責は私にある。 金氏の講演は、何枚かの新聞の切り抜きから始まった。まずは直近の経済新聞から、

    日本メーカの生き残る途 - 元ソニー取締役・金辰吉氏の講演から | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/06/03
    日本の電機業界大手8社の利益の合計は、ヤマダ電機1社の合計よりも低い。
  • 書評 「コストダウンが会社をダメにする」 本間峰一 | タイム・コンサルタントの日誌から

    コストダウンが会社をダメにする 間峰一著 副題は「スループットで全体最適」。著者は、みずほ総合研究所(株)の主席コンサルタントである。金融系のシンクタンクだが、主に中堅企業の経営改善分野を得意としている。 「企業が生き残るためには徹底的なコストダウンに邁進するしかない」というのが、今日の日企業における主要なテーゼである。そのためには、経費節減・給与カット・外注化・海外調達・海外生産等をどんどん進めるべし、さもなければ企業は不況のどん底で赤字にあえぐしかないだろう--そんな合意が産業界で成立しているかのようだ。 ところが、経営の指示の下、会社ぐるみでコストダウンに邁進した結果、儲かるどころかかえって減益になってしまう例が少なくない、と著者は言う。なにも、無理なコストダウンのための製品偽装、などといった違法行為の話ではない。適法な範囲で努力に励んだ結果、かえって業績が落ちてしまうのである。

    書評 「コストダウンが会社をダメにする」 本間峰一 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • わたしが新入社員の時に学んだこと | タイム・コンサルタントの日誌から

    紅海を見下ろすホテルのレストランで、私たちは事していた。相手はサウジアラビア有数の財閥企業のBusiness Development担当ディレクターだ。いわゆるアラブ風の白い民族衣装ではなく、ふつうの背広にネクタイの服装をしている。年齢は、たぶん私と同年代か、少し若いかもしれない。しかし財閥トップの信任の厚い彼は、もうすぐ役員のポストに手が届くだろう。 戒律厳しいサウジの卓では、けっして酒は供されない。それでも、一緒に事をするというのは、知り合ったばかりの人間同士がうちとけるには最良の手段の一つだ。デザートをべ、後のお茶やコーヒーを飲む頃には、出自を含めていろいろなことを話し合うようになっていた。 レバノン出身の彼は、きわめてきれいで立派な英語を話す。イギリスの大学を出て、英国企業に就職し、さらにMBAを取得して別の会社のポストを得た。結局、11年間イギリスに住んだという。それか

    わたしが新入社員の時に学んだこと | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/05/22
    新入社員だけでなく古参も学ぶべきエントリーだな。
  • R先生との対話(つづき) - トラブルの根本原因をつかむ | タイム・コンサルタントの日誌から

    トラブル事例からのLessons & Learnsを蓄積しようとしても、技術系ナレッジは多く集まるがマネジメント系の知見が出てきにくいのはなぜか--私の質問に対して、R先生は話を続ける。 「トラブル事象が起きた。そこから何かの教訓を学ぼうとする。これ自体は健全なことだ。誰でも、どんな組織でも失敗は経験する。組織に知性があるとすれば、それは自分の経験から学ぼうとする態度だからな。ところが、君はここで勘違いをしている。たとえば、何か例を挙げて説明しようか。最近のよく知られた問題事象を挙げてみたまえ。」 --そうですね、たとえばメキシコ湾で発生した油田の事故はどうでしょう。日ではあまり報道されていないようですが、深海から原油を掘り出す海上基地(リグ)が爆発して沈没、原油が流出している事故です。4月20日に事故が起きて以来、2週間ですでに100万リッター近い原油が海底から漏出したと言われています

    R先生との対話(つづき) - トラブルの根本原因をつかむ | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/05/22
    小さなトラブルとは、それ自体が一種の『アラート』なのだ。アラートに気づくのも、見て見ぬふりをするのも、マネジメントの態度しだい
  • モノサシを疑え | タイム・コンサルタントの日誌から

    企業の最終的ゴールはお金をたくさん儲けることだ。入社式で新入社員に美辞麗句をならべて何を訓示したにせよ、経営者はみな内心そう思っている。“そのために諸君の若い力が必要なのだ、頑張って欲しい”、と。 頑張ることの意義を、疑う人は少ない。この国では、自分の属する組織や場のために頑張ることは美しいと思われている。そうでなければ、なぜあんなに高校野球が好きなのか。若者は素晴らしい、なぜならつねに一生懸命だから、というわけだ。 では、会社で頑張るとはどういうことか。お金儲けという目標のために、組織が全力を尽くすこと。それはすなわち、各人がおのおのの持ち場で最大限の努力をはらうことだ。そのために、各部門で目標となるモノサシが与えられている。利益とはすなわち売上マイナス原価である。したがって、営業は売上の増大をはかり、工場は製造原価を低減しろ、と求められる。物流部門は物流コストを低減しろ。調達部門は安価

    モノサシを疑え | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/04/09
    頑張れば頑張るほどひどくなる原因は戦略の欠如からくる。とはいえ、そうそう戦略が打ち出せないのが現実。
  • あなたの会社にトヨタ生産方式が向かない五つの理由 | タイム・コンサルタントの日誌から

    この10年間というもの、日の生産管理思想をリードしてきたのはトヨタだったといってもいい。長かった不況の間も、ほぼかわらずに大きな利益を上げ、東海地方をはじめ日の多くの製造業をひっぱってきた。その地位と威光は誰も侮れまい。おかげで、トヨタ生産方式も多くのメーカーの範と仰がれてきた。大手電機メーカーなどもきそって著名なJITコンサルタントを迎え入れ、「生産革新」の名の下にトヨタ生産方式を導入しようと努力してきた。 ところでごく率直に言うと、トヨタ生産方式を導入しようとして、かえって生産状況を混乱させてしまうケースを私は何度かみかけた。どうもそれは、トヨタの真似をしようとして、いくつかの前提条件を忘れてしまうために起きているらしい。そこで今回は、あえてその条件を5項目にまとめ、チェックリストの用に供しようと思う。名付けて、「あなたの会社にトヨタ生産方式が向かない五つの理由」である。では、まず

    あなたの会社にトヨタ生産方式が向かない五つの理由 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 工場見学ほど面白いものはない - K歯車工業に学ぶ | タイム・コンサルタントの日誌から

    埼玉県川口市という地名を聞いて、「キューポラのある街」などという言葉を思い浮かべるのはたぶん私よりもっと年長の、団塊の世代かその上の人たちだろう。キューポラというのは来は丸屋根を指す言葉だが、転じて鉄を溶かす炉のことも指す。川口市は鋳物工業の街として高度成長期以前から長らく知られており、映画「キューポラのある街」もそれを舞台として昭和37年に製作された有名な作品である(私は未見だが)。もともと、荒川の砂が鋳物の型に適しているので、この地に鋳物工業と、その周辺業種が集まって栄えたらしい。 しかし今日、JR川口駅の前に立っても、オープンデッキの向こうにならぶのは商業施設と大型マンションだらけで、溶鉄炉の煙突など見る影もない。鋳物と言えば代表的な3Kの職場で、かつ大手企業があまりなく中小主体だ。人件費もそれなりにかかるから、バブル時代以降ほとんどの工場が立ち退き・移転・廃業したらしく、その跡地

    工場見学ほど面白いものはない - K歯車工業に学ぶ | タイム・コンサルタントの日誌から
  • "Time is Money" | タイム・コンサルタントの日誌から

    ほぼ同等の品物ならば、安い方を買う--たいていの人は、こういう経済原理で動いているはずだ。そう考えるから、メーカーは1円でも安い製品を売り出すために、懸命な努力を重ねつづける。より効率的な生産方式と工場設備、より安価な労働力、より廉価な部品・原材料を求めて・・・。そうした努力が、しかし結局、何をもたらしたか? 最終製品メーカーが安価な部品を求めて海外生産・海外調達に急速にシフトしたため、国内の部品メーカーは追いつけずに、大きな打撃を被ることになった。国内製造業の空洞化現象である。今のところ、それでも最終組立ラインは日国内に持っているメーカーがほとんどだが、それさえ次第に変わりつつある。大手自動車メーカーがタイ製のモデルを輸入販売したり、大手家電メーカーが中国製の液晶TVを国内販売しはじめたことは、そのはっきりした兆しの一つかもしれない。 しかし、当にいつでも安い製品・部品を買うべきなの

    "Time is Money" | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/03/21
    ピストルの弾が怖いのはスピードがあるから
  • 書評:「MBAが会社を滅ぼす」 H・ミンツバーグ著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「MBAが会社を滅ぼす」 --マネジャーの正しい育て方 ヘンリー・ミンツバーグ著 (日経BP社) カナダ・マギル大教授のミンツバーグは、経営学の大御所であるが、また異端の経営学者でもある。彼を有名にしたのは「マネージャーの仕事」という研究で、実際の企業の管理者のやっているワークは、経営学の教科書が想定していることと大幅に違っている、との事実を明らかにした。 その彼は、現代のMBAのあり方に疑問をもち、ビジネススクールで教えるのをやめ、この数年間は自らが中心になって「IMPM」という新しい企業マネージャー向けの教育カリキュラムを組織実践するようになった。書はその彼の考えを述べたもので、前半は現代のMBA批判、後半はIMPMの思想を書いている。全体として学術書の体裁をとっているが、後半は自分の発案であり客観的にかくのは難しい、と率直に認めている。 ただしその分、前半の現代MBA論は広範多岐に

    書評:「MBAが会社を滅ぼす」 H・ミンツバーグ著 | タイム・コンサルタントの日誌から
    zichao
    zichao 2010/02/02
    マネジメントの成功は、アートとクラフトとサイエンスがそろったときに生まれる。アートは構想力、クラフトは職人的スキル、サイエンスは分析力のシンボルである。