東京大学大学院教授 中須賀真一 先ごろ、宇宙ステーションの日本の実験モジュール「きぼう」から1kg~2kg程度の小さな衛星が数機、放出されました。50kg以下の衛星を総称して超小型衛星といいますが、従来の数百kgから数トンの衛星とはどこが違い、どのような新しい世界を拓いてくれるのでしょうか。 地上試験用のエンジニアリングモデルXI-IIIなどで十分な検証を経て打ち上げた最初の衛星XI-IVは、9年を超えて軌道上で健康に生き続けています。 これらの衛星は、大きな衛星を打ち上げる際に、その横に載せて一緒に打ち上げる「ピギーバック」という方式でうちあげます。日本のH-IIA、アメリカ、ロシア、インドなど、世界中でも同様の打ち上げ方式が使われていますが、今回のように、宇宙ステーションから放出されるのは世界でも珍しい試みです。宇宙飛行士が機能を最終チェックしてから放出できるなどのメリットもあり、