ロンドン暴動はパリでも連日、トップ級で報じられているが、テレビキャスターが、あきれていたのは(つまり、フランス人一般といってもよいが)英警察がまったく暴動対策に慣れていない点だ。暴動の発端は警官による射殺事件だが、フランス人が驚き、あきれているのは、通常は警官が警棒を持っている程度で、ごく例外を除いて武装していない点だ。さらに、機動隊もいなければ、さいりゅう弾や放水も使用されない点だ。さいりゅう弾は当たり所が悪ければ死者が出るが、まず、死傷が目的ではない。放水もしかり。 その点、フランスは流血革命を多々経験している国。フランス大革命はもとより、1848年の2月革命やパリコミューン、最近では1968年の5月革命もあれば2005年の「パリ炎上」と騒がれた暴動事件もあった。このときはアルジェリア戦争以来の非常事態宣言が出され、夜間外出も禁止になった。07年には雇用対策に関する法令に反対する200