厳格な不法移民対策法に反対していた下院議員を標的にしたのは、暴力のマグマが噴き出しそうなほど過激化した政治風土の表れなのか 1月8日、ランディー・ロフナーはアリゾナ州トゥーソン郊外の自宅前で、車に寄りかかって泣いていた。家の中は、22歳の息子ジャレッドがガブリエル・ギフォーズ下院議員の政治集会で銃を乱射した背景を調べる警察官でごった返している。「慰めにいった近所の人が戻ってきて、『撃ったのは息子だ』と話していた」と、庭にサボテンと巨木があるロフナー家の向かいに住むアーロン・マルチネス(18)は語った。 この家の中で何が起きていたのか、そして、ギフォーズ議員を含む20人を負傷させ、うち6人を死なせた若者の心の中で何が起きていたのか、全米が強い関心を寄せている。アリゾナ州の厳格な不法移民対策法に反対していた民主党下院議員をターゲットにしたのは、暴力のマグマが今にも噴き出しそうなほど過激化してい