長年の迫害から自由になる日を目前に、帰還民の受け入れや石油資源をめぐる対立といった難問が忘れられている 三日月が浮かぶ夜空の下、ジェームズ・アマンの息子や娘、甥や姪たちは牛笛の演奏に合わせて歌い、踊っていた。スーダン南部の分離・独立を問う住民投票が始まった1月9日のことだ。「自分たちの国が持てることが嬉しい」と、アマンは飛び跳ねる子供たちを見ながら言う。「北部の重圧が消えることを祝って、子供たちも踊っている」 スーダンでは北部のアラブ系政府(主にイスラム教)と南部の非アラブ系勢力(キリスト教と伝統宗教)の対立で20年以上も続いていた内戦が、05年の和平合意により終結。以来、スーダン南部の指導者たちはほぼすべての点において、北部の指導者たちに出し抜かれてきた。和平後に約束されていた重要省庁のポストや主要州の知事職を与えられず、石油の利益分配も数億ドル規模でごまかされた。 オマール・アル・バシ
厳格な不法移民対策法に反対していた下院議員を標的にしたのは、暴力のマグマが噴き出しそうなほど過激化した政治風土の表れなのか 1月8日、ランディー・ロフナーはアリゾナ州トゥーソン郊外の自宅前で、車に寄りかかって泣いていた。家の中は、22歳の息子ジャレッドがガブリエル・ギフォーズ下院議員の政治集会で銃を乱射した背景を調べる警察官でごった返している。「慰めにいった近所の人が戻ってきて、『撃ったのは息子だ』と話していた」と、庭にサボテンと巨木があるロフナー家の向かいに住むアーロン・マルチネス(18)は語った。 この家の中で何が起きていたのか、そして、ギフォーズ議員を含む20人を負傷させ、うち6人を死なせた若者の心の中で何が起きていたのか、全米が強い関心を寄せている。アリゾナ州の厳格な不法移民対策法に反対していた民主党下院議員をターゲットにしたのは、暴力のマグマが今にも噴き出しそうなほど過激化してい
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