性暴力は重大な人権侵害だ。被害の実態解明が先ではないか。 ジャニーズ事務所が、創業者のジャニー喜多川氏による性加害問題で、対応策を発表した。 まず、事務所に所属していたタレントらを対象とする相談窓口を設置した。外部の専門家らが心の問題をケアするという。 また、ガバナンスの改善を目的に前検事総長ら第三者による再発防止特別チームを作る。今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝にコーチとして貢献した白井一幸氏ら3人を社外取締役に迎える。 だが、真相を究明しようという姿勢は相変わらず見えてこない。 喜多川氏による性加害疑惑は長年にわたって指摘されてきた。2004年には、週刊誌報道を巡る民事訴訟で「セクハラに関する重要部分は真実」と認める高裁判決が、最高裁で確定した。 にもかかわらず、その後、会社としてどのように対応してきたのかは不透明なままだ。その時点で対策を講じなかったことが被害を