――現在の世界的な経済危機は創作活動に影響を与えていますか。 バブル崩壊とは、若いアーティストたちがデビューし、今までの概念を全部ぶち壊して新しい価値観を作り出せるという、クリエーターにとってすばらしい瞬間です。アートの鑑賞者にとっても大きなベネフィットが訪れる。なぜなら、不当な意味づけや価格づけを心配することなく公平に鑑賞できるからです。現況がピンチとチャンスのどちらかというと、ずばり、チャンスです。 ――アジアの美術品市場が急速に冷え込んでいます。 アジアのアートオークションでは、香港のクリスティーズが独創的なコンセプトの展開をして、どんどん新企画を出していけば、西欧とはまったく違ったマーケットを確立できます。でも、そうした香港クリスティーズに追従した他のオークションはブーム目当てで独創性がなく、今後の展開は望めないでしょう。今回のブームを不必要にあおったのがほかでもない、こうした