金子直樹さん宅の本棚には、全国の大学の入試問題集がずらり=福岡市東区 大学入試の日本史の問題を解いて出題ミスを探す。大学に指摘し、受験生の救済や再発防止を求める。そんな取り組みを、福岡市東区の塾講師、金子直樹さん(34)がボランティアで続けている。大学側の得点修正で、これまでに39人の追加合格者が出た。「ミスで落とされる受験生がいる以上、やめられない」。入試シーズンを迎え、今年も忙しい。 昨年3月、九州の有名私大が経済学部などの入試で、日本史に出題ミスがあったと発表した。律令制度の労役に関する設問で、全員を正解扱いにし、21人が追加合格した。このミスを指摘したのは、金子さんだった。 福岡県内の私大で日本史を学び、卒業後は「大好きな日本史を教えたい」と学習塾に就職。何度か勤め先は変わったが、講師一筋だ。 ミス探しは、昨春まで約6年間、日本史講師として予備校に勤めていたときに始めた。選