「原作を読んでいて、リュージが出てくると安心感があったんですよね」 リュージとはTVアニメ『ダーウィンズゲーム』で演じるキャラクターの名前だが、声優・八代 拓本人もまさにそうだ。クシャッとしたスマイルで、誰にでも分け隔てなく、オープンマインドでそこにいてくれる。 2013年に声優デビューしてから7年。若手声優が多方面で脚光を浴びるなか、試行錯誤する日々が続く。 声優界も『ダーウィンズゲーム』の世界のように、“特殊能力”をもつ数多の逸材がひしめく場所なのかもしれない。周りの強者と比べて「オレなんてクソ異能(シギル)で」と作中で話すリュージと、自分の姿が重なるときもある。 それでも、「義理人情だけは忘れずにいたい」「自分の個性って何だろう」と考え続ける八代は、地道に芝居と向き合い、声優として生き抜くための力を養っている。 撮影/増田 慶 取材・文/佐久間裕子 制作/アンファン スタイリング/ホ