「かくれ念仏」 半世紀ほど前、鹿児島県霧島山麓の村の小学校で「給食拒否」の騒動があり、地元紙が大きく取上げたことがある。 給食に出された「鶏肉」が問題になったのである。 この「事件」によって、これまで地元の一部にしか知られてなかった「カヤカベ教」の存在が明らかになった。 カヤブキの壁に本尊を隠して祈る宗教、周囲の人たちはこう噂していたが、表向きは「霧島講」。山岳神道のひとつである。 だから、天照大神が霧島高千穂の峰に降臨した時、鶏をともにしていたので、「神鳥」として敬っていたのだ。 しかし信仰の実態は、「阿弥陀如来」を本尊とする真宗(一向宗)だった。薩摩藩による「一向宗禁制」を逃れるため、山岳信仰を取り込んで偽装した。 いわゆる「かくれ念仏」である。 1963(昭和38)年、京都の龍谷大学は「鹿児島における禁教と開教に関する調査研究」として、このカヤカベ教の実態調査を行い、はじめて学問的に
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