グローバリゼーションとコンピュータ・ネットワークの発達が、「ニュータイプ」のネオナチたちを生み出している! 冷戦の終焉で、民主主義は本当に「勝利」したのか!? ゴルバチョフが登場し、ペレストロイカを開始してから十年。この間に世界は激変した。東欧のビロード革命、冷戦の終結、ベルリンの壁崩壊と東西ドイツ統一、湾岸戦争、モスクワにおけるクーデター未遂事件とソ連崩壊、ボスニア内戦……。激震のごとく世界を襲ったこれら一連の世界史的事件を経た直後は、F.フクヤマが『歴史の終わり』で述べたように、人類の理念をめぐる闘争史は最終的な解にたどりついて幕を閉じ、今後はもはや体制選択の議論などありえないようにも思われた。 だが、リベラル・デモクラシーが最終的勝利をおさめたとする確信の、少なくとも半分は、周知のとおり、世界各地で台頭してきた民族主義や原理主義、ネオ・ファシストらの雄叫びによってもろくも崩れ去っ