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ブックマーク / honz.jp (5)

  • 苛烈な暴君か、有能な君主か 『人間・始皇帝』 - HONZ

    2015年10月27日(火)から2016年2月21日(日)まで東京国立博物館にて特別展「始皇帝と大兵馬俑」が開催される。1974年、3月始皇帝陵の東1.5キロの地点で偶然に兵馬俑坑が発見された。兵馬俑の「俑」とは人間や軍馬の姿をありのままに写し取り、墓に埋めたひとがたをいう。2200年前の兵士と馬の姿が等身大で目の前に現れたのだ。その数は8000体にも上るといわれ、20世紀最大の考古学的発見と呼ばれている。 その膨大な俑に守られて埋葬されている始皇帝とはどんな人だったのか。紀元前259年に生まれ13歳で秦王に即位、39歳で天下を統一して49歳で亡くなる。「最初の皇帝」を名乗り、中国大陸に秦という統一王朝を打ち立てた男。暴君とも賢帝とも言われ、古代から日にも大きな影響を与えてきたこの人物が、昨今の発見により像の形を変えつつある。 書はこの展覧会にも深くかかわり、始皇帝の陵墓を人工衛星から

    苛烈な暴君か、有能な君主か 『人間・始皇帝』 - HONZ
  • 世界は「なりすまし」で溢れている!『詐欺と詐称の大百科』 - HONZ

    「なりすまし」というと、ツイッターのなりすましアカウントに釣られて真に受けてしまい、ちょいと恥ずかしい思いをする、というのは今やよくある話である。 ある選挙の際、候補者の名を騙るアカウントが現れて大勢がフォローするも「これはニセモノだ」というアナウンスがあって、「いやいやホンモノだ」という話もあって、あげく真贋騒動自体が話題作りじゃないの?といいだすものもあり、と、訳の分からないこともあった。 「わたしは原子力については素人ですが、みなさん一緒に勉強しましょう」といって議論をリードしていたアカウントが、じつは原子力関連のリスクコミュニケーションの専門家で、「これは世論誘導の一環じゃあるまいか」という例もあった。 わたしたちは日頃、いかなる根拠をもって人を信じているのだろうか。「この人はこんな人」と、プロフィールや人柄を認識しているが、それがどこまで正確なのか、ほんとうにわかっていると言える

    世界は「なりすまし」で溢れている!『詐欺と詐称の大百科』 - HONZ
  • 『ものの言いかた西東』 - 大阪の空中殺法「よう、言わんわ」、東北の万能奥義「どうも」 - HONZ

    全国の津々浦々で使用される方言は、地方の特色を彩る大きな要素の一つである。アホとバカ、ショッパイとカライ、イルとオルといった言葉の違いは、我々の文化の多様性の一端を示しているとも言えるだろう。 一方で、それらの方言をフレーズ化して構成される「ものの言い方」については、その人の性格に依拠するところが大きいものと思われがちである。間接的なもの言いが多ければ回りくどい奴、必要最低限のことしか言わなければぶっきら棒な奴など…。ところが意外や意外、この言い回しというものにも、地域差が大きく関与しているらしい。 書は、ものの言いかたに表れる地域毎の違いから、それらを生み出した社会的な要因、さらには影響の連鎖や歴史的な側面にまで着目した一冊である。言語は思考を規定するように、ものの言いかたはコミュニケーションを規定する。引いては人間関係や商売上の結果にも大きな影響を及ぼすことだろう。いわばこれまで

    『ものの言いかた西東』 - 大阪の空中殺法「よう、言わんわ」、東北の万能奥義「どうも」 - HONZ
  • 『意識をめぐる冒険』 我々はどこから来たのか - HONZ

    書は「主観的な感覚や意識はどこから生じてくるのか?」という問いに関する最新の研究成果が紹介された一冊だ。意識の研究ほど、広く根源的なテーマはない。私が死んだら、私の意識はどうなるのだろうか?犬には意識があるだろうか?コンピューターが人間と同じような意識を持つことはあり得るだろうか? 「コッホ博士、私にはサルに意識があるとはどうしても思えません!」 そこで私はすかさず言い返した。 「あなたに意識があることも私にはわかりませんよ。」 書の著者は、カリフォルニア工科大学で教鞭をとり、アレン脳科学研究所のChief Scientific Officerを兼務しているコッホ教授である。DNAの2重らせん構造を解明したフランシス・クリック教授と共に、長らく意識と脳の問題(マインド・ボディ・プロブレム)の研究を行ってきた。 神経系の働きと主観的な意識感覚とのあいだをうまく繋ぐ科学的な理論は未だ見つか

    『意識をめぐる冒険』 我々はどこから来たのか - HONZ
  • 『音楽嗜好症』文庫解説 by 成毛 眞 - HONZ

    著者のオリヴァー・サックスは1933年生まれのニューヨーク大学医学部教授。現役の脳神経科医であり、世界的な人気作家でもある。ロバート・デ・ニーロの好演でアカデミー賞にノミネートされた映画「レナードの朝」は、著者の同名ノンフィクション作品が原作だ。「レナードの朝」では治療不能な難病「嗜眠性脳炎」の患者とその主治医が主人公だった。嗜眠性脳炎とは30年以上も眠り続けるという不思議な病気だ。映画になるまでは世間ではほとんど知られていない病気だった。 『レナードの朝』(春日井晶子訳、早川書房、2000年)は特定の病気をテーマとした長編ノンフィクションだったが、オリヴァー・サックス作品の多くは脳神経医学エッセイ集だ。たとえば、『を帽子とまちがえた男』(高見幸郎・金沢泰子訳、早川書房、2009年)は24篇のエッセイで構成されている。の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢

    『音楽嗜好症』文庫解説 by 成毛 眞 - HONZ
    amenomorino
    amenomorino 2014/08/22
    『妻を帽子とまちがえた男』は既読。人間は不思議だと改めて感じた。私は耳というか音のことがすごく気になるのであとで本を読もう。
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