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ブックマーク / matoyomi.hatenablog.com (9)

  • 余白と良さとフェルマーの最終定理 - マトリョーシカ的日常

    なにかの拍子で余白を意識するようになった。いかなる立ち振る舞いにもそれ相応の自由度が必要であり、それにはスペースを設けておく必要があるのだった。さいきん文章を書けていないことを逃げていった二月のせいにしたいけれど、どうもそれは違うようだ。日々の生活の中のこまごまとした出来事に追いやられて、私には余白が足りなかった。作らなければならない。どうにかしなくちゃ、と会社の行き帰りに考えているがどうにもならなかった。なぜか。書かなかったからだ。 サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」を読んだ。一九九四年、数学者のアンドリューワイルズはある難問を証明した。それに至るまでの長い歴史が丁寧に書かれていた。フェルマーの最終定理とは、「/この方程式はnが2より大きい場合には整数解をもたない」という定理である。問題は小学生でも理解できる単純なものだ。しかしこれを証明することは大変難しかった。この定理を持ち出し

    余白と良さとフェルマーの最終定理 - マトリョーシカ的日常
  • 読んだ本はぬか床へぶちこむ/川添さんとの対談の感想 - マトリョーシカ的日常

    やたら長い一週間だった。金属をひたすら削っていた。正確に言うと、金属が削られていくのをひたすら見守っていた。私が取り扱うステンレスは難削材と呼ばれる、削りにくい材料である。しかし、わたしは今までステンレスしか加工していないので、他のS45Cとか鋳物がどのような挙動を見せるのか知らない。比べられることが出来ないのだから難しいもなにもない。そんなことばかりしていたので、帰り道にそびえるアパートメントを見て、「あれはG02の円弧切削で出来上がったものなのでは」とありもしないことを考えた。ピーちゃんは相変わらず元気そうだった。 先日、Letter from Kyotoの川添(id:kkzy9)さんと話をした。Skypeでの通話が途切れとぎれになる不具合が発生し、先方には迷惑をかけたと思う。私は喋るのが苦手だったので、お酒を飲み、口のまわりの筋肉をほぐすことにした。しかしあまり効果はなかった。投稿さ

    読んだ本はぬか床へぶちこむ/川添さんとの対談の感想 - マトリョーシカ的日常
    amenomorino
    amenomorino 2015/08/31
    読んだことが後からわかったりすることも。
  • 矢印のないメモをとる - マトリョーシカ的日常

    矢印が好きではない。正確に言うと、矢印を用いて思考を整理することが好きではない。以前はメモ帳に「A→B」などと記入していたが、教授に怒られてやめた。ときどき思い出す。彼は私の矢印入りの研究ノートを見て、こう言った。「矢印は嫌いなんだよね。それが因果関係なのか、時系列による変化なのか、解説なのか、分からないから」確かにそうだ。 それから、私は矢印をなるべく用いずに、言葉のみで思考を語ることにしている。風景の記憶や、モノの形も言葉で言い表すように努力している。お気に入りのメモ帳の最新刊は、全て数字とテキストで埋め尽くされている。そう、テキスト。 テキストは驚くべき力と効率性をもっている。それは最も訴求力があり、最もアクセシブルなメディア形式だ。読み書きが出来れば、誰でも意味あることを表現できる。 EVAN WILLIAMS (WIRED.Vol14 p114) テキストは高い圧縮力と復元力を秘

    矢印のないメモをとる - マトリョーシカ的日常
  • 2700短歌 - マトリョーシカ的日常

    はてな題詠「短歌の目」4月に参加。 2700という芸人が好きです。短歌にしました。 1.入 細長い梅干し入れた母さんの弁当特急列車に乗って 2.粉 粉臭い鎖骨に粘土詰め込んだ てぃりてぃうるさいてぃりてぃりりりと 3.新学期 右ひじと左ひじ見るよう渡る横断歩道 ぼく新学期 4.フール 雨フール合間に洗濯おばあさん どんぶらこっこでーれと大きな桃が 5.摘 新人の芽を摘むようにこのダンス ただし電話は彼にとらせる 6.異 ひざたてて座る両手をブイに出す異人がひとりルイヴィトンした 7.花祭り つまさきのアイドル両手に花祭り 家を出てからかかとはつかず 8.あらたまの あらたまの休みの日だからいいじゃない リズムヤンキー旋律外す 9.届け インナーがダサい彼宛宅急便 届けた義母さまアウターがダサい 10.ひとつ いまひとつ理解されないリズムネタ 僕は好きですラッスンゴレライ 2700 (お笑い

    2700短歌 - マトリョーシカ的日常
    amenomorino
    amenomorino 2015/04/03
    ”つまさきの”は一度聴くと残って残って…
  • 晴れた休日と昭和の喫茶店 - マトリョーシカ的日常

    週末の過ごし方は大体決まっている。二日のうちどちらかは喫茶店へモーニングをべにへ行き、もう一日は家でナポリタンをつくる。ナポリタンの話はすでにしたはずなので、今日は喫茶店のほうを話そう。 その店は自宅から自転車で三十分ほど走ったところにある。大型ショッピングセンターの脇にポツンとたたずむ小さな喫茶店だ。昭和を感じさせる看板とモーニングのメニュー書きがさらりと置いてある。木製の扉をぎいと開くと、クラシック音楽コーヒーの香ばしい香りが漏れてくる。「いらっしゃいませー」とおばちゃんが言う。「いらっしゃい」、渋いマスターがつぶやく。入り口の印象とは裏腹に店内は意外と広く、八席ほどのカウンターと十ほどのテーブル席がある。テーブルは焦げたような黒色で、それでいてどれも艶がある。四の足は鉄製で、先端がぐるっと曲げられている。椅子はグランドピアノについているような赤いベロア生地が印象的だ。 席に座る

    晴れた休日と昭和の喫茶店 - マトリョーシカ的日常
  • 一郎さんの後悔はみんなの明日につながる/「僕が18年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと」 - マトリョーシカ的日常

    驚くほどネガティブなビジネス書だった。これには後悔しか書かれていない。すがりたくなるような強いフレーズはどこにもなく、元気がでてくるような明るいエピソードもない。だからこそ読む価値がある。 著者の和田一郎、ICHIROYAと言えばはてなブロガーのみなさんはよくご存知、あの犬のひとだ。村長でもいぬじんでも、ズイショさんでもなく、ラブラドールのひと。 彼のブログでは、仕事のことや家族のこと、英文を翻訳したものなど毎日なにかしら更新している。僕は「おぉ」とか「わぉ」とか「こいつぁすげぇや!」と思いながらスターをぽちぽちつける。先日、彼がを出すことを聞いた。迷わずamazonで注文した。新聞の一面の広告欄にも載っていて、「ずいぶん遠くへいってしまったなぁ」などと感慨深い気分になった。近づいてもいない。 の内容は後悔に溢れている。勉強しておけばよかった、入社初日から突っ走ればよかった、社内の人に

    一郎さんの後悔はみんなの明日につながる/「僕が18年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと」 - マトリョーシカ的日常
  • ingress短歌 - マトリョーシカ的日常

    こちらの短歌イベントに参加することにしました。ingressの短歌を詠む。 1.白 白ポタに レゾさす新米 エージェント 新雪ふみしむ 子どものようで 2.チョコ チョコチョコと 寒空うろつく 午前二時 私は一体 何者なのか 3.雪 雪解けを 待つ山あいの 寺ひとつ リンク飛ばした A8の春 4.あなた すれ違う あなたもきっと エージェント 落としたキーの 跡形もなく 5.板 ゲレンデの つき刺す板は レゾネーター 心のグリフを そっとなぞった 6.瓜 南瓜(かぼちゃ)煮て ごはんを炊いて 肉を焼く CP(チェックポイント) までが長いや 7.外 外堀をさきに 埋めては いけないと 多重に教わる 人生観 8.夜 夜はなく 朝が五時間 おきに来る 小さく巨大な 惑星ingress 9.おでん はんぺんの 色を緑に 塗り替える そんな感じで ファームを燃やす 10.卒業 「いつの日か 卒業し

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  • バランスが良いことと完成していることは違う。/「回転木馬のデット・ヒート」 - マトリョーシカ的日常

    僕がカーテンを開けると、窓には結露がびったりとついており、外の景色が夢の中の一部のような不思議な感覚に陥った。四時五十分にかけたアラームで、定刻通りに起床したがそのまま何もすることがなく、出勤前の貴重な時間帯を浪費していた。読書や創作活動等、もっと有意義にその時間を過ごしていれば僕の人生はおおむねよくなりそうだが、それを誰かが許さなかった。机の上は四日前の状態をなにひとつ抜け漏れる事がなく保ち続けていて、エントロピーは決して増大しなかった。拮抗状態を崩す勇気が持てず、今日も卓用テーブルで適当な考え事をした。 会社の昼休みに『回転木馬のデット・ヒート』を読んだ。村上春樹さんがいろいろな人の話を聞き、長編小説にはなれないネタを文章化したものだ。 たとえば僕が小説を書くとき、僕は自分のスタイルや小説の展開に沿って、ごく無意識のうちに材料となる断片を選びとっている。しかし僕の小説と僕の現実生活は

    バランスが良いことと完成していることは違う。/「回転木馬のデット・ヒート」 - マトリョーシカ的日常
    amenomorino
    amenomorino 2014/10/25
    ずっと”おり【×澱/×滓】”のほうだと思っていた。
  • カント「あなたのココカワどこですか?」 - マトリョーシカ的日常

    仕事中、頭の中で「愛のここかわ」が延々とリピートしていた。トリンドルと松崎しげるが交互に出て来ては、ここここ、ここここ叫ぶのだ。「愛のここかわ」はダイハツのミラココアのCMソングであり、160種類のデザインからお気に入りのコーデを選べることをうたっている。車には全く興味はないのに、あのCMソングだけは記憶に残りなかなか消えようとしない。 僕は音に敏感だ。音というより、メロディか。興味をもったメロディをつい口ずさむことが多い。ヤンボーマーボー天気予報も相当歌ったし、2700の右ひじ左ひじや鎖骨がティリリリティも好きだった。家の買い取り、カチタスも気に入っている。 最近、他の人はどうやらそうではないということに気がついた。みな不思議なメロディを素通りしてしまうそうだ。なんということだ。自分と他人は違う、人類皆ひとりということは意識はしていたが、それも表面的なものだったのか。 その辺りもぼくのこ

    カント「あなたのココカワどこですか?」 - マトリョーシカ的日常
    amenomorino
    amenomorino 2014/09/03
    ここここここここ…止まらなくなってしまった…
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