世の中は新型コロナの影響で厳しい局面を迎える中、無人棚搬送ロボットや自動梱包機など、自動化・省力化のための最新鋭設備を導入すべく、総額90億円を超える最新型倉庫の稼働に踏み切った企業がいる。コロナでも成長の手を緩めない、その企業の名はMonotaRO(以下、モノタロウ)だ。工具のアマゾンとも呼ばれ、急成長を遂げている企業である。なぜ、コロナ禍でも成長し続けることができるのだろうか。モノタロウの成長のワケを探ると、そこには、優れた「ズラシ戦略」があった。図表を使って、同社の強さの秘密を解説する。 製造業における「直接材」と「間接材」 モノタロウの戦略の優れた点を理解するために、まずは製造業のビジネスを簡単におさらいしておきたい。 通常、製造業は原料・原材料を仕入れ、製造・加工し、製品として出荷するプロセスをとる。この際、直接製品に変わっていく原料・原材料を「直接材」と呼ぶ。一方、製造およびそ