戦死した衛生兵の死を悼む家族や友人ら。東部の前線で負傷した兵士を脱出させる際に亡くなったという=ウクライナの首都キーウで2024年4月24日、AP 日本の政府開発援助(ODA)を実施する国際協力機構(JICA)が今年1月、ロシアの侵攻が続くウクライナの首都キーウの拠点を3段階で最も大規模な「事務所」に格上げした。初代事務所長を務める松永秀樹さんにウクライナの現状を聞くインタビューの後編。「なぜ日本が支援するのか」という質問に対する松永さんの答えは。【聞き手・ワシントン秋山信一】 ――戦争と並行する形でウクライナの復興活動をしています。持続可能なのでしょうか。 ◆非常に厳しいです。イラク戦争後の復興では、10年間で2200億ドル(現在のレートで約34兆円)が使われましたが、このうち66%はイラクの石油収入で賄い、残りの34%を支援で賄いました。ウクライナ復興に必要な額は2023年末時点で48