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ブックマーク / techvisor.jp (63)

  • 【実務者向け】情報提供における匿名バレ問題について | 栗原潔のIT弁理士日記

    特許庁の運用として、審査中の特許・商標出願に対して情報提供(刊行物等提出)を行ない、登録要件の欠如を主張することが可能です。情報提供は匿名で行なうことが可能です。商標の場合は紙でしか提出できないのですが、特許の場合はインターネット出願ソフトで提出することができます。この場合に、添付ファイル(通常はPDFか画像ファイルになると思います)のプロパティデータに注意が必要です。 インターネット出願ソフトでファイル記録事項の閲覧を行ない、送付されてきた刊行物等提出書に対して「HTML変換」を実行すると、添付ファイルがオリジナルのままで復元されます。つまり、PDFファイルのプロパティデータに作成者や作成企業の名前が入ったままで情報提供すると、せっかく匿名にしてもそれをヒントに提出者がバレるリスクがあるということです(事務所名が入っているならまだしも、企業名がプロパティに入った資料をクライアントからもら

    【実務者向け】情報提供における匿名バレ問題について | 栗原潔のIT弁理士日記
  • 日本でも音の商標が登録可能になります | 栗原潔のIT弁理士日記

    商標とは商品やサービスと共にその出所を示すために使われる名称やマークなどのことです。音も商品やサービスの出所を示すことがあり、商標的機能を果たし得ます(サウンドマーク、あるいは、サウンドロゴなどとも呼ばれます)が、今まで日の商標法では、商標は「文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合」でなければならなかったため、音の商標は登録できませんでした。 米国では大部前から音の商標が登録可能でした。USPTO(米国特許商標局)のサイトに登録された音の商標の例がまとめられたページがあります。たとえば、インテルのチャイム(注:クリックするとすぐ音が鳴ります)やMGMのライオンの吠え声(同上)等は日でもなじみがあるでしょう。 そして、今年の4月1日より、商標法の改正によって日でも音の商標が登録可能になります。上記の米国企業のものに限らず「♪スミトモセイメイ」や「

    日本でも音の商標が登録可能になります | 栗原潔のIT弁理士日記
  • Apple Watchのゴールド素材まで特許化しようとするアップルのパラノイドぷりについて | 栗原潔のIT弁理士日記

    先日発表されたApple Watch、比較的安価なバージョンからApple Watch Editionと呼ばれる大変高価な(70万円以上)までがラインナップされています。中身は同じで外装の素材だけ変えたバリエーションを出すというのは、アップルがスマートウォッチを単なる携帯情報機器としてだけでなく、ファッション製品としてもとらえているということでしょう。 しかし、アップルは単に側(がわ)を金にするだけで値段を上げるというような会社ではありませんでした。しっかりその金素材でイノベーションを行ない、特許を取得しようとしています(しかも取得できる可能性は高いです)。 Gizmodo等の観測記事で、Apple Watch Editionで使われる金素材は特許を取っているらしいと書いてあったのを読んだ時は、特許化された素材をどこかのサプライヤーから調達したのかと思ったのですが、なんとアップル自らが出願

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  • IoTに関する消費者調査の意外な結果 | 栗原潔のIT弁理士日記

    大手マーケティングリサーチ会社マクロミルが日の一般消費者1551人に対して行なったIoTに関する調査レポートの一部が無料公開されました。レポートは、私もアドバイザーとして助言させていただいており、コラムも寄稿しています。概要レポートはマクロミルのサイトから無料で入手可能です(要ユーザー登録)。 ここでは、特に興味深かったポイントをご紹介しましょう。 まず、IoTという言葉自体の認知度です。今回の調査では、IoTという言葉を知らないと答えた回答者の割合はなんと91%に達しています。IoTという言葉自体になじみがない可能性も考えて、「モノのインターネット」「インターネット・オブ・シングズ」という表現を使ってもこの結果です。一般論として、テクノロジーの提供側や業界の識者の認識とその顧客である消費者側の認識が大きく異なることはよくある話ですが、もう少し認知度はあるかと思っていました。テレビ番組

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  • Google Glassが失敗したのはデザインのせいなのか? | 栗原潔のIT弁理士日記

    かつてはいろいろと話題になったGoogle Glassですが消費者向けプロダクトとしては失敗したというのが業界のコンセンサスになりつつあるようです。Google Glassの発明者の一人であるババク・パービズ博士も7月にGoogle退職Amazon転職してしまいました。 私が愛読しているMIT Technology Reviewにも“Google Glass Is Dead; Long Live Smart Glasses”という記事が載っており、失敗した理由として、プリズム状のディスプレイが飛び出している不自然な形状の眼鏡をかけるということがあまりもテッキーな行為であり、社会的に許容されにくい(周りの人を不安な気持ちにさせる)という点が挙げられています。そして、ディスプレイの問題を解決するための将来的な代替技術としてLumiodeという会社が開発中のLEDベースのマイクロディスプレ

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  • 中山『著作権法』第2版必読です | 栗原潔のIT弁理士日記

    著作権法の標準的教科書のひとつなっている中山信弘先生の『著作権法』の第2版が出ました。ページ数は530ページから690ページへと約3割増しになっています(字の大きさは一緒です、お値段も3割増しです)。 初版発行から7年経っているわけですが、その間に著作権法をめぐる状況には大きな変化がありました。これに対応して、第2版では、基的な構成は同じ(冒頭は初版と同じく「著作権法の憂」です)であるものの、新たな論考が追加されています。たとえば、フェアユースに関する部分は初版で約4ページでしたが、今回は約9ページと倍以上のページ数が費やされています。 そもそも、初版では、中山先生は、フェアユースに対しては日の制度にそぐわないという消極的な立場だったのが、第2版では立場を大きく変えられています。これについて、脚注(219に、 書初版(2007)においては、フェアユース規定の導入には消極的な見解を述

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  • アップルを訴えた島野製作所が武器にした特許とは | 栗原潔のIT弁理士日記

    ダイヤモンド・オンラインに「日の中小企業が訴えたアップルの“横暴”の内幕」なんて記事が載っています。 アップル製品のコネクタ(MagSafe等)のピン部分のサプライヤーである島野製作所(自転車部品・釣り具メーカーのシマノとは別の会社です)が、アップルを独占禁止法と特許法違反に基づき訴えたという話です。アップル側による、「合意」を無視した発注量激減、別のサプライヤーへの技術流出、不当なリベート要求等に業を煮やしての訴訟だそうです。 ここでは、契約違反や独占禁止法上の問題だけではなく特許権の侵害も争点になっていることがポイントです。島野側は、「特許権侵害の対象であるアップル製品の電源アダプタと、それが同梱されているノートパソコン、MacBook ProとMacBook Airの日での販売差し止め」を請求したそうです。もちろん、差し止めが最終目標ではなく、特許権による差し止めを武器に交渉を有

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  • 栗原潔のIT弁理士日記 エンタープライズITと知財のブログ

    知財に直接関係ない、Thnderbirdの一般的お話しです。 Thunderbirdで受信したメールに添付されたPDFファイルはAcrobatで開けるのに、メールの作成中に添付したPDFファイルの内容を確認しようとするとエラーになり「関連付けを変更してください。」というメッセージが表示されてしまう問題にしばらく悩まされてきました。Acrobatの再インストールをしても直りません。 WordやExcelの添付ファイルは問題ないのでPDF固有の問題です。メールの送信前に添付ファイルが正しいものであるかを確認するのは必須(他人宛のファイルを送ったりしたら大変です)なので、困っていました。 設定でPDFをThunderbirdの内部ビューアーで開くようにすれば一応解決しますが、そうすると、受信済メールを含めてすべてのPDFファイルが内部ビューアーで開かれるようになるのでちょっと困ります。 Goog

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  • 猫でもわかる国際出願(PCT出願) | 栗原潔のIT弁理士日記

    STAP特許出願でちょっと注目を集めている国際出願制度(PCT出願)について、ちょうど良い機会なので、説明しておきましょう(細かい手続き上の話は省略します)。 特許は各国ごとの制度 まず大前提の説明から。 世界共通で通用する「世界特許」なるものはありません。特許権は各国ごとに生じます。アメリカ国内で特許権を行使したいのであれば日で特許権を持っていてもしょうがなく、アメリカの特許庁で特許権を取得しなければなりません。なお、審査も各国独立で行なわれますので、たとえば、同じ発明なのに、日では特許化できて、アメリカでは特許化できないというような事態もあり得ます。 重要な発明であれば、世界の主要国において特許化しておきたいので、複数国への出願を行なう必要がありますが、出願を同時に行なわなければいけないと事務作業も翻訳も大変です。また、事業の成功もはっきりしない段階から多額の予算をかけることも非現

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  • 小保方さんのSTAP国際出願がまさかの国内移行 | 栗原潔のIT弁理士日記

    理研のSTAP製造法に関する国際出願(PCT/US2013/037996 ”GENERATING PLURIPOTENT CELLS DE NOVO”)ですが、以前書いたように、先週の10月24日が日や米国等の主要国における国内移行の期日になっていました(EUはもう1カ月先です、また追加料金支払で期日延長できる国もあります)。この期日までに国内移行を行なわないと、その国における権利取得はできなくなります。 WIPOやUSPTOのデータベース上では国内移行を行なった履歴がないことから、てっきり権利化はあきらめたもの(元となる論文に根拠がないので当然)と思っていましたが。毎日新聞の記事等によると、なんと期日ぎりぎりで国内移行していたようです。記事中ではどの国に移行されたかは不明とされていますが、いずれデータベースに反映されてわかるはずです(おそらく日と米国には移行されているのでしょう)。な

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  • 匿名化機能付き(Tor内蔵)ルーターの顛末について | 栗原潔のIT弁理士日記

    片山祐輔事件でも有名になったインターネット上の匿名性を実現するソフトウェアTor(トーア)ですが、そのTorの機能をルーター上で実装したanonaboxという製品がKickstarter上で出品され、60万ドル以上の出資を集めたのが、ちょっと話題になってました。 別にハードを買うまでもなく無料のソフトウェアをインストールすればTorの機能は使えるわけですが、ルーターに内蔵されていればターンキーですぐ使えるのと、パソコン以外のハードでも使える点がメリットなのでしょう。 当然ながら大人気になったわけですが「これって中国で売っているルーターと同じハードではないか」という突っ込みが入り、現在プロジェクトはサスペンド状態(実質的にはキャンセル)になっています(Kickstarterはプロジェクトのゴーサインが出るまでは実際の支払は行なわれませんので、これによって出資者が金をだまし取られることはありま

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  • 錦織選手決勝戦のパブリックビューイングにWOWOWの許可は必要か? | 栗原潔のIT弁理士日記

    多くの人がこの記事を見る頃には既に決勝戦は終わっていると思いますが、今度似たような事態があった時のために書いておきます。論点は「スポーツ試合のテレビ中継を大勢の人で見るイベントを権利者の許諾なく行なうことは違法か?」です。 参考になる文献として、日弁理士会の出版物月刊パテントの2014年4月号の記事「スポーツ中継映像にまつわる著作権法の規律と放送」(著者は弁護士の國安耕太先生)があります。 なお、月刊パテントは弁理士会員でなくても数ヶ月遅れで一部記事がウェブで無料で閲覧できます。2014年4月号の特集は「スポーツと知財」なので、ご興味ある方は是非読んでみてください(小倉秀夫先生も論考を書かれています)。 さて、上記記事では、スポーツ番組の著作物性等の興味深い論点について述べられていますがそれは元記事を見ていただくとして、錦織選手の決勝戦の中継番組はWOWOWが著作権および著作隣接権(放送

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  • 「自炊代行」裁判の判決文が公開されました | 栗原潔のIT弁理士日記

    一昨日の「自炊代行」裁判の判決文がもう翌日には裁判所のサイトで公開(PDF)されてました。 今ちょっと時間がないので要点だけコメントします。 判決主文のポイントは、以下のとおりです。 被告による(目録に挙げられた)書籍の複製行為の差止め被告による(7名の)各原告に対する損害賠償金10万円の支払い(被告は2社ですので7×10万円×2社で報道に出てきた140万円の損害賠償支払と一致します)(これは弁護士費用相当額の一部という名目です)そもそも、のコピーが増えるわけではないので複製による損害発生の立証は困難であり、それほど多額の損害賠償を請求できるわけではありません(元々の原告側の請求も各被告に対して21万円です)。原告側にとっては弁護士費用を加味するとマイナスになるかもしれませんが、「複製代行は著作権侵害にあたる」というという司法判断を得ることが目的だったのでまあこれでよいのでしょう。 前回

    「自炊代行」裁判の判決文が公開されました | 栗原潔のIT弁理士日記
  • 「一切の複製を禁じます」という著作権契約は有効か?:「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」について | 栗原潔のIT弁理士日記

    「一切の複製を禁じます」という著作権契約は有効か?:「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」について シュリンクラップ契約は有効なのか?ソフトのシリアルを他人に提供するとどういう根拠で違法になるのか?ゲームの有料アイテム購入直後にサービスが終了してしまった場合にサービス提供者は返金責任を負うか?オークションで 「ノークレーム・ノーリターン」と書いてあったら絶対返品できないか?等々の、今日のネットの世界のさまざまな法律関係の疑問に答えるために有用な資料に、経済産業省による「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」があります。 著作権法に留まらず、民法、個人情報保護法、特定商取引法等の関連法規も含めて、「学識経験者、総務省・法務省・消費者庁・文化庁などの関係省庁、消費者、経済界などの協力を得て、経済産業省が現行法の解釈について一つの考え方を呈示すること」を目的にしています。 もちろん、裁判に

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  • 朝日また大誤報?:職務発明規定改正案 | 栗原潔のIT弁理士日記

    日経新聞に「社員の発明、特許は企業に 産業界が報酬ルールに理解」という記事が載っています。(職務発明の特許を受ける権利を企業に帰属させる代償として)「従業員に報酬を支払う新ルールを整備し、企業が発明者に報いることを条件とする。」と書いてあります。NHKも同主旨の報道をしています。 昨日のエントリーで引用した朝日新聞の「特許、無条件で会社のもの 社員の発明巡り政府方針転換」という記事の「これまでは、十分な報償金を社員に支払うことを条件にする方向だったが、経済界の強い要望を踏まえ、こうした条件もなくす。」という記載とは矛盾する内容です。 twitterにおける玉井克哉東大教授のツイートによると朝日の飛ばし説が濃厚です。なお、全部飛ばしというわけではなく、上記の「これまでは、十分な報償金を社員に支払うことを条件にする方向だったが、経済界の強い要望を踏まえ、こうした条件もなくす。」の部分が問題です

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  • アナ雪DVDの無料上映会に対してディズニーは何ができるのか | 栗原潔のIT弁理士日記

    神戸新聞のサイトに「アナ雪ロングランの陰で…市民向け上映会が中止」なんて記事が載ってます。「アナと雪の女王」の市民向け上映会が配給元からの求めで中止に追い込まれているらしいです(上映を行なってしまった自治体もあり混乱が続いているそうです)。 しかし、そもそも、日の著作権法の規定では、非営利・入場無料・無報酬という条件であれば、自由に上映できます(上演・演奏の場合と同様です)。 第38条1項 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。 地方自治体等が市民のために行なう入場無料の上

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  • サルの自撮り写真の著作権とボカロネットについて | 栗原潔のIT弁理士日記

    サルが自分でシャッターを押した自撮り写真の著作権について先日書きましたが、Wired.jpに続報が出ています。 米国では、どうも写真家の著作権は認められそうもないようです。もちろん、サルが著作者であるという理由ではなく、そもそもこの写真は著作物ではないという理由です。 米著作権局の実務基準書の草案では「著作権局は、自然、動物、または植物によって制作された作品を登録することはない。同様に著作権局は、神格的存在や超自然的存在によって創造されたとする作品を登録することはできない。」と書かれているそうです。 とは言え、著作権の場合は、権利の発生と登録は別の概念なので登録できないからと言って権利が発生してないと言えるのかというのはちょっと気になります。また、「動物によって制作された」がそもそも今回のケースに当てはまるのかという点も検討の余地はあるでしょう。 余談ですが「神格的存在や超自然的存在によっ

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  • 不正競争防止法の観点からジャストシステムの責任を考える | 栗原潔のIT弁理士日記

    ベネッセの顧客情報流出事件、まずは、不正競争防止法容疑で捜査が行なわれているようです。刑事罰の要件がはっきりしているので当然と言えます。他にも、個人情報保護法や消費者保護法上の論点はあると思うのですが、ここでは不正競争防止法のみについて考えてみます。 不正競争防止法には営業秘密の不正取得・使用を禁ずる規定があります。営業秘密とは、(1)秘密として管理され、(2)事業活動に有用で、(3)公然と知られていない情報であり、製造ノウハウ等だけではなく、当然に顧客リストも含まれます。 ここで、この事件の登場人物のそれぞれについて不正競争防止法上の責任について考えてみましょう。なお、不正競争防止法という観点では、顧客情報を勝手に使われた消費者は直接的には関係ありません。 1.ベネッセ 営業秘密を不正取得・使用されたことにより、不正競争によって営業上の利益を侵害された「被害者」です(個人情報保護法や消費

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  • 三井住友銀行のネットバンクのパスワード仕様改悪が直った件 | 栗原潔のIT弁理士日記

    ちょっと前に書いた三井住友銀行のネットバンクで、新トークンの利用開始に伴って、パスワードが強制的に数字4桁にされてしまう件ですが、7月5日付けでようやく改善され英数字4〜8文字のパスワードが使用できるようになりました。要は改悪前の状態に戻ったということになります。 まずは一安心ですが、どうせ仕様変更するなら英数字16文字くらいまで使えるようにはしてほしかったと思います。 英数字8桁あればブルートフォース系の攻撃に対しては(少なくとも今のところは)安全であると理解しています。しかし、最近は、あるネットサービスで流出したパスワードリストを使って別サービスで使う攻撃が出てきています。これだとサービス間で同じパスワードを使っていれば、何桁であろうが危険です。 上記攻撃に対しては、サービスごとに違うパスワードを使えというのが正しい回答だと思いますが、実際には無数のサービス全部で違うパスワードを使うの

    三井住友銀行のネットバンクのパスワード仕様改悪が直った件 | 栗原潔のIT弁理士日記
  • クールジャパン:コンテンツ特区って何なんだ? | 栗原潔のIT弁理士日記

    クールジャパン推進会議の「ポップカルチャー分科会」議長の中村伊知哉先生が、日のポップパワー発信10策というたたき台アイデアを公開されています。 案の定、「コンテンツは自然発生的に流行っていく物であって、政府が余計な手を出すものではない」というような批判の声が聞かれています(なんて話は元々はクリエイター側にいた中村先生はよくご存じの上でやられていると思いますが)。 私としては、何らかの形での支援はあってもよいと思います。フランスなど諸外国も何らかの形で政府がアーティストに援助をしています。クリエイターではなく、コンテンツオーナーに金が回るような援助は勘弁して欲しいですが。 この手のコンテンツ政策の重要なところは短期的かつ金銭的な収益だけではなくて、長期的に見た国のイメージ向上に結びつくという点があります。たとえば、ハリウッド映画が世界中に与えているプロパガンダ効果は無視できないでしょう。

    クールジャパン:コンテンツ特区って何なんだ? | 栗原潔のIT弁理士日記