大阪府泉佐野市教育委員会が今年一月、原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」に差別的な表現が多いとする千代松大耕(ひろやす)市長の要請を受け、市立小中学校の蔵書を回収していたことが二十日、分かった。 中藤辰洋教育長によると、千代松市長や市教委は昨年から、漫画に「きちがい」「こじき」などの表現が使われていることを「差別を助長する」と問題視。小中学校の保有状況を調査し今年一月、小学校八校、中学校五校の蔵書を回収し、児童、生徒が閲覧できない状態になった。市立校長会は一月二十三日と二月十日、文書で「一方的な回収は理不尽だ」などと抗議していた。 千代松市長は二十日、市役所で記者会見し「作品には不適切だと思える表現が多く存在する。学校現場で放置されるべきではなく、適切な指導、教育が必要だ」と意図を説明。表現の自由を制限する行為との指摘に対し「そのような批判があるのも事実で、どう折り合いをつけるか、悩ま