今夏の参院選山形選挙区(改選数1)で、自民党山形県連は20日、党員投票の末、現職で3選を目指す岸宏一氏(69)の擁立方針を決めた。有力な若手新人を立て、世代交代をもくろんだ県連執行部の思惑が完全に外れる「まさかの展開」(幹部)。県連内を二分した戦いが終わり、県連は一枚岩の態勢づくりに不安を抱えたまま、党再生を懸けた戦いに臨む。 ■沈痛な面持ち 20日午前、山形市内の県連会館で開票が進むにつれ、加藤紘一会長ら県連執行部の顔に沈痛の色が深まった。岸氏が、新人で東京財団研究員の大沼瑞穂氏(31)につけた差は500票を超えた。 「『岸氏の方が知名度が高かった』の一語に尽きる」。開票終了後、記者会見した加藤会長は思い空気を引きずったまま、岸氏の勝因を挙げた。 県連は昨年12月、次期参院選に向けた候補者選びの方針を決めた。既に3選に意欲を見せていた岸氏をいったん棚上げにして新人の公募を実施。予備