今週のコラムニスト:李小牧 〔11月30日号掲載〕 李小牧には夢がある──歌舞伎町のティッシュ配りから案内人、在日中国人向け新聞発行に作家、そして故郷の味である湖南料理レストランオーナーと、新宿でやりたいことに好きなだけ挑戦してきた私のような男に、まだ実現していない夢があるのか、とあきれないでほしい。 私の最近の目標は、歌舞伎町案内人としてのわが人生を中国で映画化すること。中国では前向きに頑張る人の生き方を肯定的に描く「励志電影(リージーディエンイン)」というジャンルの映画が人気だ。歌舞伎町という「最高」の環境で、日本のヤクザや中国マフィアとのもめ事をかわしながら夢をかなえてきた日本での私の23年間は、就職難や格差に悩む中国人の若者を元気づける「励志電影」になるはずだ。 風俗やヤクザが登場する過激な映画が中国で上映できるのか、と疑問に思うかもしれない。最近の中国映画にはかなりセクシーな場面