テロをめぐって今、「拡大」と「拡散」が起きている。中東では政治的な無秩序状態がいくつも生じ、「イスラム国」をはじめ、ジハード(聖戦)勢力が領域支配を拡大している。そして、そこを拠点にして世界に発信されるイデオロギーに感化され、テロを起こす人々が拡散していくメカニズムができてしまった。 自発的なテロに加わる人物の戦闘能力も上がっている。勧誘されるわけではなく、勝手に中東に赴き、実戦の中で学ぶ者が増えている。中東地域はその軍事訓練の場を提供している。(国際社会は)この混乱を治めなければならない。 ただ、軍事的に対処したり、政治的に追い詰めたりすると、短期的には、ジハード勢力が、自らを圧迫してくる勢力の社会を狙ってテロを起こす方向にいく。テロは基本的には防げないし、特に個人や小組織が自発的に行う分散型のテロは、摘発や予測が難しい。
![【パリ同時多発テロ】「過剰反応こそテロの狙い」池内恵・東京大学准教授(1/2ページ)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/848374cac80d1656002ea024481cbc59363857d8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.sankei.com%2Fresizer%2FtzTLT7HOe3h0KGKLowt5GrlbBRk%3D%2F1200x630%2Fsmart%2Ffilters%3Aquality%2850%29%2Fcloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com%2Fsankei%2F7MES4745PBLXNGKKJFR43DHPWM.jpg)