スリランカは世界銀行が定義する中所得国にとどまりながら、主に低所得国を対象とした融資を要請する。大統領府が11日明らかにした。写真は2020年11月に撮影したコロンボのビジネス地区(2022年 ロイター/Dinuka Liyanawatte) [コロンボ 11日 ロイター] - スリランカは世界銀行が定義する中所得国にとどまりながら、主に低所得国を対象とした融資を要請する。大統領府が11日明らかにした。
nippon.com編集部作成 外貨準備減少に加え、通貨も急落 南アジアの優等生だったスリランカはなぜこのような経済危機(および政治危機)に陥ってしまったのだろうか。スリランカの主たる外貨獲得源は輸出のほか、観光収入と海外からの送金である。2020年以降、新型コロナウィルスの影響を受け、観光収入は大きく落ち込んだ。運が悪いことに、19年4月に発生したイースター・テロ事件で落ち込んだ観光客数が戻りつつあったタイミングだった。ロシアのウクライナ侵攻も影響している。ロシア人やウクライナ人は、スリランカにとって大事な観光客だったからだ。そして海外で働くスリランカ人からの送金も減った。 これらは確かに大きな打撃だった。しかし観光収入や送金の減少は、ほかの国でも同様のはずである。なぜスリランカはここまで深刻な外貨危機に見舞われたのか。 スリランカは、17年に南部のハンバントタ港の建設費返済ができる見込
スリランカがデフォルトに陥り、大統領が国外逃亡した。原因は中国の「一帯一路」の「債務の罠」かと反射的に思うが、なんと主たる原因は大統領の気まぐれな有機農業命令で、中国からの債務はわずか10%だった。 ◆スリランカがデフォルトに陥り大統領が海外逃亡 5月19日、スリランカが国家としてデフォルト(債務不履行)に陥り、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領が7月13日未明、軍用機で夫人と護衛一人を付けてモルディブに逃亡したことが分かった。国内に留まれば、怒った群衆10万人ほどが大統領府を占領するなど激しい抗議デモを展開しているので、命の保証もないと判断したからだろう。 スリランカはもともと借金まみれの国で、習近平政権が「一帯一路」構想を動かし始めると、すぐに飛びついた。なぜなら中国からの融資は審査条件が緩く利子も特に高くはないからだ。 しかし後述するように、そもそも中国からの債務は全体の10%に過ぎず、し
報道機関のインタビューにこたえるスリランカのウィクラマシンハ首相=6月11日、スリランカ・コロンボ/Eranga Jayawardena/AP スリランカ・コロンボ(CNN) スリランカのウィクラマシンハ首相は5日、自国が「破産」していると国会で述べた。スリランカはここ数十年で最悪の金融危機に見舞われ、国民は食料、医薬品、燃料の購入に苦労している。 ウィクラマシンハ首相は議員に「崩壊した」同国の経済を再生させるための国際通貨基金(IMF)との交渉は「難しい」と説明した。人口2200万人の同国はいま、発展途上国ではなく破産国家として交渉に臨んでいるためだ。 ウィクラマシンハ首相は「破産した国として交渉に参加している。従って、これまでの交渉よりも難しく、複雑な状況に対処しなければならない」と述べた。 さらに「破産状態にあるため、債務の持続可能性に関する計画を(IMFに)別途提出しなければならな
中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」が仕掛ける「債務のワナ」に陥った国が、また一つ浮上した。対外債務が約4兆円に膨らんだスリランカだ。新型コロナの打撃で極度の外貨準備金不足になった同国は、イランから輸入する石油の対価を国産の紅茶で支払うという窮地に追い込まれている。 一帯一路が仕掛ける「債務のワナ」 2013年に習近平国家主席が打ち出した一帯一路構想は、アジアと欧州の陸路をつなぐ物流ルートを構築して貿易活動を活発化させ、参加国の経済成長につなげることが狙いだ。2021年12月の時点で、世界144の国と地域が参加する巨大国際プロジェクトに成長した。 構想実現に向け、中国は過去20年間にわたり、チャイナマネーを湯水のごとく低・中所得国の発展プロジェクトに融資してきた。しかし、プロジェクトが進むにつれ、中国の真の狙いが浮き彫りになり始めた。 自国の発展を望む低・中所得国にとって、チャイナマネー
停電中のスリランカ・コロンボで、家の外に座る親子(2022年3月30日撮影)。(c)Ishara S. KODIKARA / AFP 【3月31日 AFP】スリランカで経済危機が深刻化している。政府は31日、全国規模で実施している計画停電を1日13時間に延長すると発表。医薬品も底を突き始めており、緊急性のない手術を延期する病院も出てきた。 人口2200万人のスリランカは外貨不足のため基礎的な輸入品の代金すら支払えない状況だ。1948年の独立以来、最悪の経済危機に直面している。 国営電力会社は先に、全国的な計画停電を1日当たり7時間から10時間に延長していたが、さらなる延長に追い込まれた形だ。 スリランカでは火力発電用の石油が不足し、今月初めから深刻な電力不足に陥っている。火力発電用の石炭・石油は輸入に頼っているが、代金を支払うための外貨が不足している。 電源の40%超は水力で賄われている。
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