エジプト貿易産業省は3月11日、小麦、小麦粉、パスタなどの食品の輸出を3カ月間禁止、翌12日にはトウモロコシなどの輸出禁止も発表した。ウクライナ情勢の悪化を受け、食料価格が上昇する中、国内の食料確保に動いた格好だ。4月からのラマダン期間は、家族や親戚、友人が集まって食事する機会が増えることもあり、食品の需要拡大を見越した対応といえる。 小麦は、国内生産もあるが、約6割は輸入に依存している。国連食糧農業機関(FAO)によると、2020年時点でエジプトは小麦輸入金額で世界1位、重量で3位だ。特に、ロシアとウクライナからの輸入が約85%を占めるため、政府は小麦の輸入先の多角化を図っている(2022年2月22日記事参照)。 ウクライナ情勢の悪化に伴う、世界的な資源価格や食料価格の上昇などを要因として、エジプトの2月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比8.8%増となった。特に野菜・果実は3