(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎) 台湾の蔡英文総統が、29日から米国を経由して中米の2カ国を訪問する旅に出た。米国訪問は約4年ぶりで、マッカーシー下院議長との会談も予定されている。 3月29日、滞在中のニューヨークのホテルを出発する蔡英文総統。ホテル周辺では台湾独立に反対する中国系の人々による抗議活動が行われていた(写真:AP/アフロ) その直前の26日、台湾は中米のホンジュラスと断交したと発表。同日、ホンジュラスは台湾に代わって中国と国交を樹立したと発表した。 さらに27日から、台湾の馬英九前総統が中国を訪問している。総統経験者が訪中するのは初めてで、馬氏の所属する台湾の最大野党の国民党は親中路線をとる。来年1月には総統選挙がある。 このタイミングからして、中国が台湾を外交で切り崩し、内政で取り込みを図って、米国に対抗する構図が浮き彫りになる。 経済支援でホンジュラスを台湾から引き