2010年5月14日のブックマーク (41件)

  • 第3幕『勿忘奏楽』その7: プレイレポートbyたきのはら

    姉上さま、それは、と、明玲の女君、瑠璃光の女君が立ち上がりかけるのを押さえ、月沙の女君は一行四人の前に居住まいを正した。 「恐れることはありません、まだ日も暮れかけたばかり、御箱様(おんばこさま)もまだ目覚めてはいないでしょう。 ――何もかもお話しいたします」 私どもが麗の姉であり、病に倒れたと言ったのはすべて偽り、そらごとです。虹川の大殿が病で死に、麗が同じ病で目の光を失ったのは当の話。けれど麗の三人の姉は既に嫁いでおり、この屋敷にはおりませんでした。誰もいない屋敷に、麗は一人取り残されたのです。 ところで、この屋敷には――それとも虹川家に持ち伝えられてきたものだったやもしれませぬが、御箱様と呼ばれるものがありました。それは力あるもので、祈り頼めば願いを叶えてくれたのです。 麗はその御箱様に祈りました。幼い頃に都で何不自由なく、三人の姉と共に暮らしていた幸せな時を我が身に戻してくれと。

  • 第3幕『勿忘奏楽』その6: プレイレポートbyたきのはら

    「こうして座っていても、埒はあきませぬ」 先に言葉を発したのは三姉妹の側。明玲の女君である。 「もう日も暮れます、夕餉の支度をいたしましょう。皆様方も長旅、さぞお疲れでしょう。何かあたたかいものでもお腹に入れて、それからお話はいたしましょう」 すると瑠璃光の女君が返事のように立ち上がり、無言のまま隣室へと続く襖を開けた。 「どうぞ、あちらへ。私たちも参りましょう」 月沙の女君はそう言って麗の女君を振り返り、何事かその耳にささやくと、おもむろに“客人”たちを促した。 隣は座敷というよりも控え間で、そのまま台所に降りられるようになっている。事の支度をしながら、麗の女君の心を騒がさずに話そうというのだろう。 一応は人の姿をした四人と、まるでからくり人形のような三つの姿は互いに向き合い、またしばらく黙りこくった。戸を立てた薄闇に目が慣れるに従って、衣と面に覆われた下に、ほっそりとした童女の姿が半

  • 第3幕『勿忘奏楽』その5: プレイレポートbyたきのはら

    楽の音が響く。妖に負けぬ、艶やかで華やかな――いや、賑やかな音曲(おんぎょく)。三姉妹も各々の楽器を手にする。絡まりあう楽の音。が、融け合いはせぬ。三姉妹の音色は互いに絡まり合い融け合い、そうして芙蓉の奏でる歌から旋律を奪おうとしている。それに気づき、屋根の上で小滝は身構えた。いざとなったら割って入ろうかと思うたが、楽の音のやりとりから既に戦いというわけか。まさかとはじめは耳を疑ったが、確かに音色のやりとりの中で、三姉妹は芙蓉から曲の流れを奪おうとしていた。楽師同士の意地の張り合いとも思えぬ、この姉妹、かならずや西行妖といかほどかの関わりを持つに違いない。芙蓉が見守る鬼龍と吉野に目配せをする。手拍子を。よォし天狗仕込みの威勢のいいところをひとつぶちかますぜと吉野が勢い込んで手を打ち鳴らし、鬼龍も合わせる。が、三姉妹の楽の音は揺らぐ様子もない。ふた節も奏でぬうちに琵琶と手拍子は奏楽からこぼれ

  • 第3幕『勿忘奏楽』その4: プレイレポートbyたきのはら

    戸の陰から覗いたのは、面であった。 ひっそりと目を伏せた、美しい小面(こおもて)の面である。面だけ見たなら感嘆の声を挙げたろうが、ひとけのありともなしとも知れぬ屋敷の扉からそれが覗くのは、決して気持ちのよいものではない。 面の周囲に黒い衣が垂れ下がっている。戸はたしかに手をかけて引きあけたものと見えたが、そこから見えるのはだらりと垂れ下がる袖ばかり。それはまるで、幼子が頭から母御前(ははごぜ)の小袿(こうちぎ)を被り、ちょこんと覗いた顔には面をかけたとでもいうような。 「怪しい奴。さては化け物か」 背後で鬼龍が大鉞を握りなおす気配を感じ、芙蓉はとっさに玄関に駆け寄った。 「あの、ご親切に。ありがとうございます」 「ああ、お泊めしてさしあげるのですね、月沙(つきしろ)のお姉さま」 戸口を人がくぐる気配をききつけたか、老女が言う。ならば、まちがいない、この小面をかけた黒衣の小さな姿が老女の“姉

  • 第3幕『勿忘奏楽』その3: プレイレポートbyたきのはら

    小滝が女たちと話している間に。 「わかったからその手を離しておくれよ、化けるから」 鬼龍の手の下からどうやらすり抜けると芙蓉は宙返りをひとつ、若い娘の姿になった。市女笠のぐるりから唐虫(からむし:絹の薄布)を垂らし、いかにもよい育ちの娘がよんどころない事情あって旅をしているというふう。だが 「あれ。これでは兄さんたちと一緒に居てはおかしいかしら」 ふと顔を上げ、鬼龍と吉野の――山野に随分と鍛えられた――姿を等分に見てもう一度宙返りをしようとするのを鬼龍がぐいと押し留め、 「そのままで居れ」 とこうするうちに、小滝が戻ってくる。かくかくしかじかと事の次第が繰り延べられると、吉野はひとつ頷き、 「よし、では早速その桜を検分にいかねばならん」 なあ、と後ろを振り向きかけ、はっと言葉を留める。そうだ、妖夢は幽冥界のあるじ様に顕界の春を奪うわけを問いただしに行っていて、もうここにはいないのだ。 「ど

  • 第3幕『勿忘奏楽』その2: プレイレポートbyたきのはら

    もうここまでくれば犬も追ってこないかとようやく女たちが足を止めたところで、もし、と涼やかな声。振り向けば 「あれまあ、験者(げんじゃ)さま」 「こんなところに、なんてきれいな」 若い方の女がそういって、微かに頬を赤らめた。 声をかけたのはもちろん小滝である。普段より少し声を低く落とし、そうするとすっかり凛々しい美少年の修験者の体(てい)である。ああ、験者さまがいらっしゃるというのにわたしどもときたら生臭ものを持って、と、女達が慌しげに道の端に避けかけるのを 「ああこれ、わしはまだこれより勧行(かんぎょう)に向かおうという身、生臭ものを口にすることはならぬが、わざわざと遠ざけるには及ばぬ」 それよりも随分と急いでいたようだが、何かあったのか。 犬が出たのですよ、と若い方の女が言った。 「なに、犬が」 「はい、最近の犬は性悪で人を喰ったりいたします」 「なんと」 これ、めったなことを言うものじ

  • 第3幕『勿忘奏楽』その1: プレイレポートbyたきのはら

    海沿いをごとごとと列車は走ってゆく。静岡に入ってもうずいぶん来ただろうか。 浅い春か冬の名残りか、傾きかけた日の中で、打ち寄せる波頭は鈍い灰色にけぶっている。 「このあたりは、初めてですか」 突然、隣から声がかかった。見ると、さっき乗り合わせた品のいい初老の紳士である。 「いや、何、この変哲もない景色を熱心に眺めておいでだったから」 自分はこのあたりの生まれなのだと紳士は言った。言葉を交わすうちになんとも好もしい人物であるように思えたので、つい、劇作の種を探す旅なのだということを打ち明けた。そうすると紳士は俄然目を輝かせ、 「でしたらなかなか面白い話を知っていますよ」 と言った。 このまましばらく行った先に垂水(たるみ)の浦と呼ばれる場所があるという。そこは岩山が海岸近くまで迫り出し、岩の洞がいくつもあり、舟を出して海から眺めるとなかなかの絶景なのだとか。 「その洞の中にはこのあたりの漁師

  • 曙草東道行:第3幕『勿忘奏楽』前口上: プレイレポートbyたきのはら

    というわけで、主にDMの趣味で“東方プロジェクト”風味を混ぜながら遊んでいる中世日D&D4版キャンペーン、『曙草東道行』第3回レポートです。 いつも、遊んだ人だけに見えるところで下書きしてから一気にこちらにアップするという方法を取っているのですが、それがなんだか偉く評判悪い。なかなか更新がないと思ったら、ある日いきなりどかっと薄い文庫1冊くらいにはなろうかという量が更新されているのでは読むほうはちょっと読みづらいとか何とか。 ……というわけで、今回から、物語にしっかり裏側をつけながら1日1~2エントリずつアップする短期連載型にしようかと。ちょっとはマシかなぁ。マシだといいなぁ。 前回までは鬼龍(ゴライアス・ファイター)、吉野(ヒューマン・ローグ/ファイター)、小滝(エラドリン・ウィザード)、芙蓉(キツネ・バード)、そしてNPCの妖夢(シャダーカイの……ええと何だっけ、ファイター?)とい

  • 第2幕『山中遇鬼』その11: プレイレポートbyたきのはら

    ☆ 「酒呑童子の身体は今度こそ首を亡くしたわけですな。かつてその首だった小鬼がそれを嘆いたかどうか……」 館長は窓の外を見て湯飲みの茶を飲み干した。 「ともあれ、その小鬼は鈴鹿の山塞に残ったようです。自分の身体が陰の鬼と化し、桜の名所を陰に沈め、この地に害をなしたことを恥じその後始末をするために。後始末といっても、まあ、宴会なのですがね」 「宴会?」 「そうです、陽の鬼が宴を開くことでこの地に陽の気が振りまかれていたのだというのですね。そこで、」 言って、館長は机に積んだ書物をごたごたとかき回し、一冊を取り出した。 「これですかね。十日に一度、山の祠にお神酒を捧げるという風習のある村がありましてね。場所としては先ほどお話した伝説とは少しばかりずれるのですが、おそらくこれが元でしょう」 酒好きの伊吹童子が酒を切らさずに楽しく呑んで陽気を振りまけるようにとのことだったのでしょう、と館長は鹿爪ら

  • 第2幕『山中遇鬼』その10: プレイレポートbyたきのはら

    いよいよ扉に手をかける。 生臭い風がふっと臭った。 扉を開け放つ。 板敷きの広間の中には鬼が六匹ばかり。小柄な赤鬼が四匹、黒鬼のこれは見るからに大将格なのが一人。そうして中央で大あぐらをかいているのは。 「あ、あたしの身体!!」 いつの間にか芙蓉の尻尾の間から這い出した伊吹が、悲鳴のように叫んだ。 鬼の砦を統べるのは、豊満な体躯を誇る艶やかな鬼女。 鬼龍を遥かに凌ぐ巨躯だが、醜いどころかむしろ圧倒されるほど美しい。はだけた衣の胸元からはちきれるほどの胸をこぼし、 その上から胴丸鎧を着込んでいる。 それが、小狐の頭の上にしがみつく、ちっぽけな小鬼の身体だったという。 肩の上が空洞でないところを見ると、身体を失った首が霊力でちいさな身体をこしらえたように、首を失った身体も新しい首をこしらえたらしい。が、首をなくしたときに陽気を失ったか陰気に侵されたか、その身は以前とは似ても似つかぬ化け物と成り

  • 第2幕『山中遇鬼』その9: プレイレポートbyたきのはら

    山が深くなるにつれ、雲行きが怪しくなってきた。花曇かと思えた空は、やがて黒く低く垂れ込め、遠雷さえ耳を打つ。と見る間にぽかりと道が開け、崖を背にして砦作りの巨大な館が巨大な門を構えている。 「これか」 「これだよ、変わってないねえ。扉が閉じてるの以外は」 芙蓉の頭の上で伊吹が答える。目の前の門は、呆れるほど頑丈そうな鉄扉をぴたりと閉じて収まりかえっている。 「どうやって入る、門よりほかに道はあるのか」 「さあねえ。門以外から入ったこと、ないからねえ」 抜け道はないか、いや背後の崖から降りるべきかとひとしきり首を捻ったが、もう少し酒を飲めば思い出すかもしれないなどと言っていた伊吹が徳利一空けた途端、 「真正面の出入り口以外、知らないよ。もういいからどーんと行っちゃいなよ!!」 と、けらけらと笑いながら言い出したのでもう手の打ちようがない。うろうろしていて門内からなんぞ仕掛けられるよりはと、

  • 第2幕『山中遇鬼』その8: プレイレポートbyたきのはら

    と。 「あれ、嫌だねえ。せっかくの相撲場が」 およそ場違いな声。 芙蓉の絡まった3のしっぽの間からもぞもぞと這い出してきた、伊吹である。 「やだねえ、なんて陰気になっちまったんだ。嫌な臭いがぷんぷんするよ。あたしたちがここで酒盛りしてた頃は、桜もあんないやらしいものじゃなかったし、お天道さんかお月さんがきれいで、さもなきゃいい風が吹いて、居るだけで酒が旨くなる場所だったのにさ」 「それじゃ、ここが間違いなくあんたたちの相撲場だったんだな。長者が鬼から瘤をもらったという」 「そうだけど、ああ、ホントにこんな場所じゃなかったんだよ」 吉野に答えながら、芙蓉の首に結びつけた瓢箪を持ち上げたのはもちろん中の酒を飲むためだが、伊吹はそこでふと手を止めた。 「もしかしたら、陰の鬼の連中かもね」 「……なんだ、そりゃあ」 鬼龍が身を乗り出す。やれ桜の妖だ死を誘う気配だと言われればお手上げだが、鬼という

  • 第2幕『山中遇鬼』その7: プレイレポートbyたきのはら

    長者が鬼の相撲場で貰ってきたのは福などではなく瘤の形の化け物で、そうして長者はとっくの昔に魔物に喰われてしまっていたのだと聞き、下働きの者たちはかえって安堵したふうであった。 何でも瘤を貰ってきて以来長者殿は肉を好むようになり、それどころか自らどこからか肉の包みを手に入れてきてはこれを料理しろと言うことも度々であったという。 「最初は知り人に腕の良い狩人でも居られるのかと思いましたが」 時折その肉の塊に、人の髪の毛や爪の切れ端が混ざっていることがあり 「薄気味悪くは思うものの、長者さまに耳元で何事かささやかれると、ぼうっとなってなにもかもそれでよいように思えてしまいまして」 そのまま唯々諾々と肉を料理しては卓に上げていたのだという。 「それに近頃は近隣の村で神隠しが相次ぎまして」 誰それが神隠しにあったと噂が伝わってくる時には、必ず肉が卓に上っていたのだという。 いぶかしく思うことも幾

  • 第2幕『山中遇鬼』その6: プレイレポートbyたきのはら

    蔵には鍵がかかっていたが、吉野が小刀で錠前を2、3度つつくとことなく開いた。扉を引き開けると、むっとするような生々しい血の臭い。そこここに置かれた桶にはなみなみと血が溜まり、床にも点々とこぼれている。そうして天井からは肉を吊るすのにちょうどよさそうな鉤、壁に立てかけられた石の大まな板の脇には、牛一頭でも楽に捌いてしまえそうな肉切り包丁が添えられている。 それだけではない。耳を澄ますと、熱に浮かされた子供とも聞こえる呻き声が、蔵のずっと奥まったところからかすかに、しかし確かに聞こえてくる。 まるで床の間のように一段高くなった場所に据えられているのは 「やれやれ、薄気味の悪い。――なんだ、これは、首桶(くびおけ)じゃないか」 見たとたん吉野は声を上げる。しかし、確かに人間の首がひとつ納められるほどの、蓋をした桶の中からその高くか細いうめき声は聞こえて来るのだ。 直に触れるは気が進まぬ。吉野はや

  • 第2幕『山中遇鬼』その5: プレイレポートbyたきのはら

    ☆ 離れの一室。 一同、わずかに開けた障子に手をかけ、膝元にそれぞれの得物をおいたまま、出ていった芙蓉が戻ってくるのをじりじりと待っている。と、突然母屋の方から凄まじい悲鳴が響いた。人の喉の出せる声ではない。 「行くぞ!」 手元の得物をひっつかむとそのまま走り出す。母屋のほうを見れば、床下から走り出す白狐、そしてその後を追って走り出してくる骨の化け物が五つ、六つ。小滝はそのまま庭に飛び降りる。 「待てい! ぬしらの相手はわしが致す!」 狐が飛び出してきたのは、母屋のおそらく仏間のあたりから。鬼龍と吉野は襖を叩きつけるように開けながら、そのまま廊下を走る。 三枚目の襖を引き開けた刹那、吉野の目に映ったは地獄絵図。山台に人の首がいくつもいくつも盛られ、それぞれに恨みと苦悶の呻きをあげながら蠢いている。それが化け物の背中に生えた無数の瘤なのだと思い至ったときには、既にもう右手の赤鼻丸が瘤のひとつ

  • 第2幕『山中遇鬼』その4: プレイレポートbyたきのはら

    運ばれてきた夕餉(ゆうげ)は、山奥の里であることを考えに入れなくとも十二分に豪華なものであった。数々の山の幸に加えて、腕の良い狩人でもいるのか肉までも皿の上に盛られている。椀を覗けば吸い物の実にも肉切れが浮いていた。 「村人たちがああもやつれていると言うのに、我らだけこのようなもてなしを受けるのも心苦しいが」 言いながら鬼龍が箸を取る。 「いや、村人たちもこれだけのものを口にしながら、あのようにやつれているのかもしれぬぞ」 まるでおかしくもないことのように小滝が言う。 「それは、どういうことだ」 「たとえば精気を吸われるとか」 「それとも、さっきの白犬のように血を吸われるとかか」 「……まぁ、おそらくそういったことだろうがな」 淡々と言いながら、小滝は膳に盛り付けられた肉を摘んで選り分け、皿の隅に積み上げる。修験の道を修める小滝は殺生のものを口にしないのだ。 どうしても並んでは膳に着こうと

  • 第2幕『山中遇鬼』その3: プレイレポートbyたきのはら

    やがて、山中が切り開かれ、いくつも明かりが灯っているのが見えた。 「あれが瘤取り村だ。ずいぶん昔だが、一度来たことがある」 鬼龍が言った。山の中の里とも言うべき村で、山人の商売相手でもあり、また刳り物や細工物などを山に暮らす人々から買い付けては里に売る仲買のようなこともしているという。山人の交易に用心棒として同行することの多い鬼龍は、この村のあることを知っており、ここを今宵の宿にと考えていたのだ。 「山を行くもののための宿も構えておったはずだ。行くぞ」 ほら、もうこうなったら普通に同道したほうがいいでしょう、と狐姿のまま芙蓉が妖夢の裾を咥えて引っ張る。が、寄って来た妖夢を鬼龍がじろりと睨む。慌てて妖夢が後ずさろうとするのをまた芙蓉がぐいと引き寄せる。 「あ、あの、私はいったいどうすれば……」 「ええ、面倒な。話は先ほど鬼龍殿より聞いたが、どの道同道しておるのだから一緒に来ればよいではないか

  • 第2幕『山中遇鬼』その2: プレイレポートbyたきのはら

    一方、鈴鹿山中。 二人の男が連れ立って歩いて行く。 一人は巌が生命を得たかと思われるような偉丈夫、いま一人はどこか山育ちの獣さえ思わせるような、きびきびとした身ごなしの若者である。そして若者の腰には二の短刀に加えて、ほころびかけた蕾をつけた桜の若枝。 鬼龍と吉野に遅れること十間ほど、間を詰めもせず開けもせずついて行くのは相変わらず若武者に身をやつした妖夢である。これは曙桜の初枝のもたらす春の気に感応してその地の桜が開こうとするときに、それぞれの地の初枝を集めて歩こうとするものだったが、何故か先を行く二人の男に並んで歩こうとは決してしないのだ。 三人が行くのは山中の道とも言えぬ踏み分けである。その傍らで小さく枝が鳴る。踏み分けでさえない場所を、時には二人の男に近づき、時には後ろを行く妖夢を気遣うようにしながら、小さな白狐も旅に同行している。 「おい、娘はまだついてくるのか」 「離れようとも

  • 第2幕『山中遇鬼』その1: プレイレポートbyたきのはら

    鬼の砦に隠れ里伝説、舞台とするにはこのあたりがいいだろうか。 窓の向こうに鈴鹿山脈を望む小さな文書館で、資料になりそうなを山と積み上げながら、私は逡巡していた。 とりあえず一行は京の都から出発して東国に向かい、そのままみちのくを目指すというのが自然だろう。さて、では春の桜の終着点はどこにしたものか。山人に桜を持ち来るよう頼んだのが金売り吉次というのなら、やはり最後は奥州、平泉を結びの地としたものか。 そんなことを考えながらページを繰るうちに、ふと目に留まった一文章がある。 ――このとき、能登(のと)の国、石動山(いするぎさん)より小滝坊なる天狗がこの地を訪ない、数名の仲間と共に鬼の館を平らげたと伝えられている。小滝坊は天狗とされているが、一説には観音菩薩が修験者の姿を借りて現れたものとも、天狐すなわち稲荷神の使いともいわれており…… 受付に行って、小滝坊と鬼退治のことについて調べたいので

  • 曙草東道行:第2幕『山中遇鬼』前口上: プレイレポートbyたきのはら

    というわけで、和モノD&D、第2回レポでございます。 今回は『山中遇鬼(さんちゅうにおにとあう)』。人里離れた山の中に飛び地のように存在する交易の村、鬼の相撲場と呼ばれる桜の名所。そこでPC一行が見たものは…… 前回は純ファイター、ローグ/ファイター、バードの3人組だったのですが、それだとバラエティ豊かな魑魅魍魎をぶつけると色々と大変なことになり過ぎる……というので、この回からエラドリンのウィザードが入りました。エラドリンは中世日にはおりませんので、ここでは大天狗という扱いです。 この『曙草東道行』キャンペーン、テーマが桜と春にあるのですが、第1回の時点ではPCの側にこの桜を持ち歩くキャラクターはいても、桜の意味を知って管理するキャラクターはいません。バードの知識で何でも知ってます、ってわけにもいかなくなったし、そもそもそれじゃ風情がない。 というわけで、今回登場する天狗は“桜守の一族”

  • 第1幕『今弁慶』その11: プレイレポートbyたきのはら

    そうして結局、五条大橋の鬼は退治されたのでしたよ。 そう亭主は言って、笑った。 もう日はとっぷりと暮れて、擦りガラスの向こうは雪明りでほの白い。 「積もったようですが、なに、淡雪です。明日の朝には融けるでしょう」 そろそろお事の支度をしましょうかと言いながら、亭主は立ち上がった。 「待ってください、鬼は退治されたとして、結局彼らは、その、天狗の弟子だとか狐だとかはどうなったのですか? 刀は、そして桜は?」 「おやおや。……私がしようとしたのは鬼の話です、刀も桜も余分な話……けれど」 座りなおして亭主は言った。 「彼らはね、東下りをすることになったのですよ。曙桜の初枝を持ってね。春、桜林の中で最初につぼみを結び花を開く枝には、春の気が凝るのです。その、幽明の境を越えてやってきた娘がその初枝を、端から取っていってしまったものだから、その年はいつになく春が遅かった……だから、彼らは千桜の里の

  • 第1幕『今弁慶』その10: プレイレポートbyたきのはら

    次の夜は満月。 月の光に照らされ、幽冥界の力がくっきりと顕界に及ぶ夜。 必ずや――あの鬼は、現れる。 橋のたもとで1日休んで鋭気を養った4人――吉野、鬼龍、芙蓉、そして桜花は武器を手元に置いて、橋の方を伺っている。 「そう言えば、申し忘れたことがありました」 急に桜花がぽつりと言った。 「何」 「幽々子様の名を言って、私が名乗らないでよいという法はございませぬ。私が五条桜花というのは偽り、私は西行寺家に代々庭守として仕える魂魄家の妖夢と申します」 「橋姫でも桜の姫さまでもなかったのね」 にこりと芙蓉が笑ったとき、急に生臭い風がどっと吹きわたった。橋のたもとでぼろにくるまっていたにとりが顔をしかめる。 「この世の風じゃない」 答えるように月に群雲がかかり、橋の上が急に陰になった、その中から。 ぼうっと陰火が点り、うっすらと影のようだったものがたちまちに形を成す。と同時にちゃんちきちゃんちきと

  • 第1幕『今弁慶』その9: プレイレポートbyたきのはら

    さて。 ひとまず当面の騒ぎは片づいたとはいえ、鬼の出るという橋の上に居続けをするわけにもゆかぬ。 倒れている桜花に縄をかけてかつぎあげると、芙蓉たちは河原の焚き火の周りに引き上げたのだった。 「へぇ、これが鬼なの?」 「たぶんね。あたしたちが見たのとは別だけど、噂に聞いた”きれいな公達”が出るっていうのはこの娘さんだったんじゃないかしら」 無遠慮に桜花をのぞき込みながら、にとりと芙蓉は火に鍋をかけ、すっかり冷めてしまった白湯を温めなおしている。 「ほら、あんた達そんな物珍しそうにするもんじゃない、手当ぐらいしてやるもんだ」 吉野が見かねてそちらに歩み寄ろうとしたとき、ぱちりと桜花が目を開けた。 一瞬なにが起こったのか分からない様子だったが、火の側に寝かされてはいるものの、ぐるぐる巻きに縛り上げられており、そうして腰につけたはずの桜もないのに気づいて、ようやっと殴り倒されたのだと得心が行った

  • 第1幕『今弁慶』その8: プレイレポートbyたきのはら

    「まぁ待つんだ、意が通らないからといってそう簡単に刀を抜くもんじゃない」 吉野が鬼龍と桜花の間に割り込んだ。 「桜花さん、待って下さい」 芙蓉も桜花の袖を押さえんばかりにして言い募る。 「その桜は確かにお主様のご命令がおありなのでしょうが、こちらとて……あんな花には縁遠いような殿方までが求めるその桜、きっと何かのいわれがあるのでしょう?……だから言葉のかわりに刃を交わすのはおやめなさいというのに!!」 振り払われてもなおも言葉を継ごうとするのを、鬼龍が遮った。 「その桜は、要るのだ。致し方なし」 いいざま、鉞をすさまじい勢いで振り回し始めた。勢いのついた鉞が桜花の胴を掠め、衣を切り裂く。いきなり先手を取られ、刀を握る桜花の手がかすかに震える。 「……ならば斬り捨てるまで」 応じて抜きあわせた桜花も、瞬時に鬼龍の懐に飛び込む。 が。 「多勢で一人を討つか、卑怯!!」 桜花は悲鳴を上げた。吉野

  • 第1幕『今弁慶』その7: プレイレポートbyたきのはら

    ずい、と、吉野が一歩踏み出した。 「……何奴」 鬼龍が唸るように言った。 と、若武者は橋の中央に佇んだまま、言葉を発した。 「刀を、見せては下さいませんか」 「……刀? おれの獲物は鉞だが」 「いえ、私が拝見したいのは刀でございます」 「刀はない、脇差なら……」 吉野が言いかけた途端、若武者の目にすっと光が宿った。 「その……お脇差を、刀身を拝見させては下さいませんか」 言葉は依頼だが口調は命令である。く、と唇を引き結ぶと、若武者は吉野に歩み寄った。ほとんど殺気といっていいほどの気配……だが。 こいつ、娘か。 さきほどの声、そして歩み寄る足取りでもう見てわかる。若武者と見えたのは男装した若い女である。そして、 「……桜、」 吉野が目配せした先を見て鬼龍は呟いた。 武者姿の娘の腰の太刀、その鞘には未だつぼみの桜の枝がひと枝、結びつけられてあったのである。 「どうぞ、お刀を」 「……人にものを

  • 第1幕『今弁慶』その6: プレイレポートbyたきのはら

    黄泉路の化け物といっても種々あるようで、這い出てきた姿も大小さまざまである。屍喰らいが2匹に、大きな口の痩せこけた鬼。 「……おれの大義のためじゃぁないが、喰われちゃかなわん。来い」 吉野が刀を抜く。芙蓉の唇がめくれあがる。尖った小さな歯がずらりと並んでいる。と、その刹那、鬼龍が声にならない声を上げた。 橋の半ばに立つ痩せこけた化け物――貪鬼の目がぎらりと光った。と思うやいなや、鉄の爪に心の臓を鷲掴みにされた感触が喉元までせり上がる。無我夢中のうちに足が土を蹴り、気づけば穴だらけの橋の上にいる。横から鉤爪の生えた枯れ木のような腕が伸びてきて、鬼龍の胸ぐらをねじ上げた。何が起こったかと気を確かに持とうとするが、頭の芯に霞がかかったように頼りない心持ちがするばかり。手も足も夢の中に縛られたかのように、思うことの三つに一つを果たすがやっと。 「鬼龍!」 吉野が叫ぶ間にも、動けぬ鬼龍の脇を抜けて

  • 第1幕『今弁慶』その5: プレイレポートbyたきのはら

    そうして芙蓉の目の前で、暮れ行く五条大橋を眺めている二人の武芸者。 「これが五条大橋か。鬼の出るという」 小柄な方が言った。大男は小さく頷くと 「では確かに送り届けたぞ」 言って、きびすを返そうとした。 「おい、待て鬼龍、まさかおまえ当に送り届けただけで去ぬるつもり……」 まずい。 芙蓉はとっさに人の姿になった。どんな都合があるか知らないが、むざむざ強そうな武芸者を立ち去らせてなるものか。 「もし、兄さんたち」 男たちはぎょっとしたように立ちすくんだ。当たり前である。今まで誰もいなかったはずの影の中から十をいくつも出ない小娘の姿。すわ、鬼の卷族か、狐狸妖怪のたぐいか――いや、実のところその通り狐なのだが。 「鬼を退治しなさるの?」 小首を傾げる小娘。 「あ、あんた何者」 「芙蓉。白拍子よ。この橋の下に住んでるの。鬼が出るので人が来なくなって、あたしたちはおまんまがいただけないようになって

  • 第1幕『今弁慶』その4: プレイレポートbyたきのはら

    「お客人ですか、お師匠様」 言って吉野はふと客人の顔を見る。この男の顔は今まで何度か見たことがある。岩から掘り出したか岩が人に化身したか、おそらくは天狗の師匠と同じく化生の何かなのだろう。 「おお。ぬしも顔ぐらいは見知っておるだろう、だいだら坊の鬼龍(キリュウ)殿よ。都に行かれる途中でおれに顔を見せに来てくれたのだ、ええい、客人と見たなら言われずとも酒の用意ぐらいせんか」 はあ、と小さく返事をして行きかける後ろから、天耳法眼、 「それはそうと吉野、都で最近何か面白いことはなかったか」 「面白いこととて特にありませんが……そういえばつい昨日立ち寄った木の葉天狗が、五条大橋に鬼が出ると申しておりました」 「なに、鬼」 「はあ、何でも橋をわたるものが武芸者と見れば、どこからともなく忽然と現われ、刀を置いていけというのだとか。そこで人呼んで今弁慶、けれど見るものによって弁慶のごとき大男にも牛若のご

  • 第1幕『今弁慶』その3: プレイレポートbyたきのはら

    よくない鬼が出るんだもの、もう当にどうしようもないよ。 冬が終わって落ち着いたら、あたしたちも他所に行くしかなさそうだ。 そうはいっても、急にこれといって行くあてもない。その次の夕暮れも、娘たちは同じ橋のたもとで小さな火を囲んでいた。 と。 「あれ、また武芸者が」 「止めてやんなよ」 芙蓉が声を上げるとすぐさま、にとりはそう言った。 「でもさ、強そうだよ」 確かに昨日慌てふためいて逃げていった男と比べれば体つきも身ごなしも、そもそもその身から漂う気配からいっても“格の違う”男が二人、橋をしげしげと見ているのだった。 「とにかく見てくるわ」 やめときなよ、とにとりは言ったのだが、そのときにはもう芙蓉は狐の姿で、影から影を伝うようにして駆けだしている。 二人連れの武芸者の、一人は橋の鬼にも負けず劣らずな体躯の大男で、あきれるほどの大鉞を背負っている。もう一人は連れに比べれば小柄とはいうものの

  • 第1幕『今弁慶』その2: プレイレポートbyたきのはら

    娘たちは火の傍で寄り添いながらも、時々橋のほうをちらちらと見やっている。暇のありそうなものが通りかかったら声をかけるつもりなのだが……日暮れには早いどころかまだ昼を過ぎたばかりというのに、人っ子一人通らない。 にとり、と呼ばれた傀儡使いの娘は河童。 童女の名は芙蓉(フヨウ)、十をひとつふたつ出たばかりの姿をしているが、実はとっくに数百年を生きた狐の経立。 人に立ち混じるのを好んだ異形の娘たちは、人の姿を真似たまま、河原で行き暮れていた。 あれほど人が恐れる鬼を、しかし、娘たちは見てはいない。草木も眠り込むような、よほどの夜中にならないと現われないものなのだろう。そして物の怪というよりは草木に近い娘たちは、鬼が出るはずのころにはぐっすりと眠り込んでいるのだった。 誰も通らぬまま、日が落ちた。 今日の仕事を仕舞ってとろとろと娘達が眠りに落ちかけたとき、不意に生臭い風がどっと橋の上を渡った。 「

  • 第1幕『今弁慶』その1: プレイレポートbyたきのはら

    この橋の上にはね、鬼が出たのですよ。 亭主はそう言って、灰に描いた地図の上を火箸で軽く突いた。 「ああ、確か……きれいな娘がゆきくれているのに目をつけた男が、馬に乗せて送っていってやろうと申し出る。 しばらく行くと娘は正体を現し、角を出し牙を剥き爪を伸ばすと、親切ごかしの送り狼をひきさらってゆくのでしたっけ」 「ずいぶんひん曲げて覚えておいでですね。そういったふうなのがお好みですか」 苦笑交じりに亭主は言うと、それに貴方様のおっしゃるのは一条戻り橋の鬼でしょうと付け足した。 「私の申しますのは、五条大橋の鬼のことです」 「弁慶ですか」 「それだけではないのですよ」 そういうと亭主は火鉢に炭を足した。 「劇作の勉強をしておいでとおっしゃるんだったら、こういう話も拾っておいて悪くはありますまい。 応仁、といっておわかりになりますか。そうです、応仁の乱の。その少し前、戦の前の騒々しさで何かと都も

  • そして、狐。: プレイレポートbyたきのはら

    そして、狐。 私のキャラクターは狐です。だって、キャンペーンオリジナル種族が出たら使ってみたくなるじゃないか! もともとは狸の小坊主をやるつもりだったのですが、3rd party製品、というかKobold Quarterly 9 にKitsuneがいるよー、何だったらこれ使うよー、と言われ、見てみたらあまりにも可愛かったんでそのまま狐に。 狐だったらやっぱり娘さんがいいよねー、ということで、狐の白拍子つまりバード、というか白拍子に化けるのを得意とする狐です。 ちなみに、この狐さん、米国製だというのになかなか“わかっていらっしゃる”。全部ぶっちゃけるわけにはいかないのでかいつまんでの説明になりますが、ちょっと私家訳を載せると キツネ――狐そっくりなPC用種族 フォックスはフォックスでフォックス以外の何ものでもない――なにか違う? 了解、そう思っているのだとしたら、君はさぞかし驚くだろう。何し

  • まず、世界設定的なお話。: プレイレポートbyたきのはら

    システムをそっくり持ってきて演出だけ和モノに書き換える、としても、やはり日を舞台にした伝奇ものにはそれなりの世界観があります。 ぶっちゃけD&Dは“中世西洋ファンタジー世界”がベースで、そしてその世界観がシステムに色濃く反映しているというか根となって支えている部分もあるので、そういうところは“今、遊びたい世界向き”に変更しないと遊んでても違和感が出てきちゃう。 というわけで、キャンペーンでは、家D&Dの世界のありようを少しいじってあります。 ――で、DMにしてワールドセッター、D16氏の言葉を借りるとこんな感じ 逢魔が時、あるいはこの世とあの世 D&Dのルール的に話します。 今回のキャンペーン世界での「化け物」の出現についてです。同時に和物世界におけるモンスターの由来について。 まず、この世界=娑婆世界ですが、一般的なD&D世界とは異なり、基的にこの世界では化け物は生態的ニッチを得

  • 『曙草東道行』和モノD&D4thプレイレポ:前口上: プレイレポートbyたきのはら

    えー、D&Dで和モノとか、いきなりわけわかんないこと言ってますが。 D&D4thのシステムを使い、舞台を応仁の乱前の伝奇な日に移して遊ぶ、という趣向です。や、せっかくオニも公式モンスターになったことだしね。 D&Dというメリケンの粋のようなゲームにどっぷり浸かってる関係で意外に思われがちなんですが、私は和のあれこれも伝奇なあれこれもとても好きです。ついでに能も歌舞伎も説話あれこれも好きです。で、今回、D16氏から、4thのシステム使って和モノ伝奇世界で遊んでみない? と言われて飛びついた次第。 D&Dのクラスや種族はもちろん和モノ伝奇のそれに置き換えます。 例えばファイターは武芸者、ウォーロードは軍配者、ウィザードは陰陽師や密教僧、クレリックは僧兵や雲水、神職もアリかな、ローグは忍者や悪党で、レンジャーは狩人、ウォーロックは外法使い…… 種族で言えば、エラドリンは大天狗、エルフは烏天狗(

  • 日経BP

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  • 『ミノタウロス』の文庫解説を担当させていただきました。 - Flying to Wake Island 岡和田晃公式サイト(新)

    佐藤亜紀氏の傑作長篇『ミノタウロス』をご存知でしょうか。 2007年に単行が発売されたこの作品が、このたび、めでたくも講談社文庫に収録され、明日5月14日付けで全国の書店にて発売される予定となっております。 『戦争の法』、『鏡の影』、『外人術』、『陽気な黙示録』と、過去の佐藤亜紀作品が次々と文庫化され、入手しやすくなっている昨今、このうえなくめでたいニュースです。 で、この『ミノタウロス』ですが、文庫化にあたっての解説を、畏れ多くも私が担当させていただきました。 もし、まだ『ミノタウロス』をお読みになっていない方がいらっしゃいましたら、せっかくの機会ですので、お手にとっていただけましたら幸甚です。 まだお読みない方向けに、奥付の紹介文を引用させてもらうと、このようなお話となっております。 帝政ロシア崩壊直後の、ウクライナ地方、ミハイロフカ。成り上がり地主の小倅、ヴァシリ・ペトローヴィチは

    『ミノタウロス』の文庫解説を担当させていただきました。 - Flying to Wake Island 岡和田晃公式サイト(新)
    e_tacky
    e_tacky 2010/05/14
    「帝政ロシア崩壊直後の、ウクライナ地方、ミハイロフカ。成り上がり地主の小倅、ヴァシリ・ペトローヴィチは、人を殺して故郷を蹴り出て、同じような流れ者たちと悪の限りを尽くしながら狂奔する」
  • ライブ放送開始をお知らせ。ツイットキャスティング・ビュワーを公開 | サイドフィード株式会社

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    e_tacky 2010/05/14
    「お気に入りのユーザーを予め登録しておくことで、そのユーザーがライブ配信を開始したときに、即座にiPhone にプッシュ配信でライブ開始をお知らせしてくれるiPhone アプリです」
  • @tarosite

    @tarositeジャーナリスト・iU教員の松村太郎による、『未来に備える、未来を創る』をテーマに、テクノロジーが前提の新しい時代を追いかけるウェブサイトです。

    @tarosite
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    e_tacky 2010/05/14
    「孫正義さん @masasonと佐々木俊尚さん @sasakitoshinaoとの対談。国費ゼロで光回線普及率100%ができるという数字的な根拠を披露し、その利活用のイメージを孫さんが佐々木さんに説明する、というスタイルで進んだ」
  • 時事ドットコム:国会改革法案を提出=官僚答弁制限、野党は反発−与党

    国会改革法案を提出=官僚答弁制限、野党は反発−与党 国会改革法案を提出=官僚答弁制限、野党は反発−与党 民主、社民、国民新の与党3党は14日、官僚答弁の制限を柱とした国会改革関連法案を衆院に提出する。与党は、衆院議会制度協議会で野党の合意を得て提出する方針だったが、自民党などの抵抗で協議が進まないため、方針を転換した。ただ、6月16日の会期末が迫っていることもあり、今国会での成立は困難とみられる。  野党側は「国会の土俵づくりは、これまで全会一致でやってきた」(公明党幹部)と反発。自民、公明、共産、みんな、たちあがれ日の野党5党は13日の幹事長・書記局長会談で、議会制度協議会で話し合いを行うよう求めることを確認している。  同法案は、政府参考人制度を廃止して官僚の国会答弁を制限。内閣法制局長官も、国会答弁が認められている「政府特別補佐人」から除外した。また、政策決定での政治主導を強化する

  • 社説:「5月決着」断念 首相は責任をどう取る - 毎日jp(毎日新聞)

    「首相の約束」が、こんなに軽くてよいのだろうか。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、重ねての約束破りである。 鳩山由紀夫首相は13日、繰り返し公言してきた移設問題の「5月末決着」に関して「できる限りのことはするが」「6月以降も詰める必要があるところがあれば努力する」と語った。事実上の断念である。 移設をめぐる「時期」は先送りの連続だった。首相は昨年、オバマ米大統領に年内決着を示唆し、不可能になると「5月末決着」を言明した。「3月末」とした政府案決定を見送る一方、「5月末」はオバマ大統領にも約束し、国民に対しては、決着とは米政府、移設先地元、連立与党が合意することだと明言してきた。そして今回の先送りである。 移設先も変心を重ねた。衆院選で「最低でも県外」と公約し、今年になっても県外移設を目指す考えを強調したあげく、「抑止力を学んだ」結果、今月に入って県内移設に転換した。しか

  • 始祖鳥:飛べなかった…翼で体重支えきれず 英チーム結論 - 毎日jp(毎日新聞)

    鳥類の祖先である始祖鳥は、羽ばたいて飛べなかったとする論文を、英国などの研究チームが14日付の米科学誌サイエンスに発表した。始祖鳥の推定体重と、化石に残された羽根の軸の太さなどから、始祖鳥の翼では体重を支えきれず、木の枝から地面へ滑空するしかできなかったと結論付けている。 研究チームは、ジュラ紀後期(約1億4000万年前)の始祖鳥と、始祖鳥の次に原始的な鳥類である孔子鳥(こうしちょう)(約1億年前)の化石を分析し、現在の鳥類と比較した。始祖鳥などの風切り羽根の長さは変わらなかったが、長さに対する羽根の軸が非常に細かった。 それぞれの翼がどの程度の荷重に耐えるかを調べたところ、現在の鳥類は体重の6~13倍に耐え、羽ばたく激しい動きに対応できる強度があったが、始祖鳥(推定体重276グラム)は体重の0.55倍、孔子鳥(同500グラム)は0.39倍しか支えられないことが分かった。 真鍋真・国立科学

    e_tacky
    e_tacky 2010/05/14
    「始祖鳥の推定体重と、化石に残された羽根の軸の太さなどから、始祖鳥の翼では体重を支えきれず、木の枝から地面へ滑空するしかできなかったと結論付けている」