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ブックマーク / kaikaji.hatenablog.com (8)

  • ヘーゲルと現代経済学 - 梶ピエールのブログ

    現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (叢書《制度を考える》) 作者: カーステン・ヘルマン-ピラート,イヴァン・ボルディレフ,岡裕一朗,瀧澤弘和出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2017/06/19メディア: 単行この商品を含むブログ (3件) を見る 「現代経済学のヘーゲル的転回」。このタイトルを見て、「なんじゃそりゃ」?と思う人が多いだろう。あるいは、今やすっかり廃れてしまったマルクス経済学を、そもそも「逆立して乗り越えた」はずのヘーゲル哲学までさかのぼって擁護しようとした時代遅れの書物だと思うかもしれない。だが、これはそういうでは全くない。 書は(マルクス経済学ではない)現代経済学の方法論的な弱点と、それに対するオルタナティブを「制度」と「倫理」の観点から真摯に問い直した研究として、後世に名を残すだけのインパクトと可能性を兼ね備えただと思う。ちな

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  • Voice12月号のケント・ギルバート氏の論説について - 梶ピエールのブログ

    2月10日発売の『Voice』3月号の「中国経済をどう見るのか」という特集に、他の識者とともに中国経済の見通しについての短い一文を寄稿しました。中国経済はデフレからの脱却を図るべきだが、為替制度がその足かせになっている、というこれまで繰り返してきた論点を述べています。他の方々がそろって国有企業改革などの供給側の要因を重視されているのに対し、私一人だけ金融政策と需要サイドの問題点を強調して「浮いている」感がありますが、日の失われた20年の経験を考えればデフレ状態のまま供給サイドの改革を急激に進めることのリスクは明らかだと思います。 さて、上記の一文を寄稿した後に気が付いたのですが(IRONNAに転載されていたためエゴサーチで引っかかった)、同じ『Voice』の12月号にケント・ギルバート氏が寄稿した一文の冒頭に、私が全く言ったり書いたりしていない内容のことをあたかも私の主張であるかのように

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  • 香港リベラル派知識人のチベット論 - 梶ピエールのブログ

    世界各地で聖火リレーへの抗議行動が起こり、それに対して中国国内からの愛国主義的な反発が強まるという現象が繰り返され、事態はさながら「文明の衝突」の様相を見せている。チベット人に同情的な国際世論と一般的な漢民族の意識とのギャップは絶望的なほど大きい。しかしながら、漢民族の知識人の中には、少数ではあるが冷静かつ真摯にこの問題に向き合おうとしている人々も確実に存在している。 アモイのPX工場建設反対活動などで有名な連岳氏のブログはその代表的な存在だろう。同氏のブログでは少数民族の読者が心情をつづったメールが紹介されたり、民族問題をめぐる過去の中国政府の姿勢の矛盾が批判されたりと、いわゆる「愛国主義」とは明確に距離を置いた、リベラルで活発な議論が展開されている。 その連岳氏のブログに、香港出身の知識人、梁文道氏による「チベット問題の最大公約数」と題する論説が寄稿されている。これはチベット問題の歴史

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  • 雑誌は正しく「雑」誌であるべきだ - 梶ピエールのブログ

    仲俣さんのブログid:solar:20050127でタイムスリップグリコの「思い出のマガジン」シリーズの存在を知る。そこで展開されている、「80年代のマガジンはなぜ面白かったか」という議論。 雑誌というのは雑多な内容のなかからどのくらいの確率で読者の興味を射抜けるか、というのが勝負であり、いわゆる専門誌とはそこが違う。たとえば文芸誌というのは専門誌であって、マガジンとしての「雑誌」ではない。「ファウスト」が文芸誌のなかでは図抜けて売れるのも、太田さんが「雑誌=マガジン」としての編集を手を抜かずきちんとやっているからだろう。雑誌が面白かった時代というのは、雑誌が手間ひまかけて作られていた時代のことで、手間ひまをかけるためにはお金も必要だけど、やっぱり雑誌を作る人が自分のつくる雑誌やその読者に、どのくらい愛情を注いだかということがいちばん大事なことだったろう。 期せずして僕がつねづね感じていた

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  • 台湾のひまわり運動と柄谷行人の「無節操」、あるいは実体化される「アジア」 - 梶ピエールのブログ

    もう1か月前に出た出版物に関するものですが、ブログ「路上の人」の連載に書いたこととも関連するので、とりあえず公開しておきます。 社会運動2014.11 No.415 作者: 柄谷行人、津島佑子、小熊英二、青木理,-出版社/メーカー: インスクリプト発売日: 2014/11/17メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る タイトル通り市民運動関連の原稿を集めたムック『社会運動』最新号で、「新しい対抗運動の可能性」と題した台湾のひまわり学生運動(学運)の特集が組まれている。特集は、今年の夏にひまわり学運―「ひまわり革命」という用語は感心しない―を支持してきた台湾の知識人二人を迎えて行われたシンポジウムの抄録と、丸川哲史による論考からなっている。ちなみに、シンポジウムの参加者である港千尋は、学生達による立法院選挙に関する豊富な写真をあしらったルポルタージュ『革命のつくりかた』の著者

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  • いただきもの - 梶ピエールのブログ

    現代社会の存立構造/『現代社会の存立構造』を読む 作者: 真木悠介,大澤真幸出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2014/09/30メディア: 単行この商品を含むブログ (12件) を見る 赤井さんの朝日出版社での最後のお仕事になるのでしょうか?どうもありがとうございます。

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  • 「日中で同時進行する立憲主義の揺らぎ」

    ご無沙汰しております。6月30日(月)発売の、『週刊東洋経済』7月5日号のコラム「中国動態」に「日中で同時進行する立憲主義の揺らぎ」という記事を寄稿しました。 習近平政権になってからの中国では現行の国家体制・憲法の枠組みの中で個々の人権擁護を訴えるような活動に関わってきた、いわゆる人権派弁護士を中心とする人々が次々と拘束・刑事告発されるようになっています。このようなここ十数年来の「憲政」の実現に向けた流れに逆行する中国の動きと、国家の行動を中長期的に縛るための憲法の解釈を、時勢に合わせて変更しようとする安倍政権の動きは、同一視することはできないが、明らかに連動したものと見なければならない、というのが私の立場です。 領土問題をめぐる政治・外交的緊張の高まりを考えれば、国家に対する縛りを弱めようとする日中両国の動きは、決して相互に無関係に生じているわけではない。その意味で、両国における「立憲主

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  • いただきもの - 梶ピエールのブログ

    市民のための世界史 作者: 桃木至朗,荒川正晴,秋田茂,栗原麻子,坂尻彰宏,大阪学歴教育研究会,伊藤一馬,猪原達生,岡田雅志,後藤敦史,小林克則,高木純一,中村薫,中村翼,向正樹,森慶太出版社/メーカー: 大阪大学出版会発売日: 2014/04/01メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る 大阪大学(歴史教育研究会)が進めてきた高大連携による歴史教育の取り組みの成果だということです。グローバルヒストリーの成果が多く取り入れられているところが特徴でしょうか。 中国ナショナリズムのなかの日: 「愛国主義」の変容と歴史認識問題 (現代中国地域研究叢書) 作者: 江藤名保子出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2014/03/30メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 中国トウモロコシ産業の展開過程 (現代中国地域研究叢書) 作者: 張馨元

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