現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (叢書《制度を考える》) 作者: カーステン・ヘルマン-ピラート,イヴァン・ボルディレフ,岡本裕一朗,瀧澤弘和出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2017/06/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 「現代経済学のヘーゲル的転回」。このタイトルを見て、「なんじゃそりゃ」?と思う人が多いだろう。あるいは、今やすっかり廃れてしまったマルクス経済学を、そもそも「逆立して乗り越えた」はずのヘーゲル哲学までさかのぼって擁護しようとした時代遅れの書物だと思うかもしれない。だが、これはそういう本では全くない。 本書は(マルクス経済学ではない)現代経済学の方法論的な弱点と、それに対するオルタナティブを「制度」と「倫理」の観点から真摯に問い直した研究として、後世に名を残すだけのインパクトと可能性を兼ね備えた本だと思う。ちな