建築探偵回顧録の第6回です。明日から少しの間、イベント参加などで忙しくなるのでブログの更新をお休みします。 建築探偵桜井京介の事件簿、第5作『原罪の庭』でまず思い出すのは、タイトルの問題です。『灰色の砦』では『硝子の棺』という題を予告していたのですが、部長の宇山氏が「同じタイトルのミステリがあるから」と難色を示しました。たしか山村美紗氏に『ガラスの棺』という作品があったのではないかと思うのですが、すいません、読んでないし確かめてもいません。自分的にはタイトルは、物語の主要な現場となった温室を意味していたのですが、宇山氏の反対がいつになく強かったので、なんとか別題をひねり出さなくてはならず、結果的に行き着いたのが『原罪の庭』でした。結果的に正解だったと思います。タイトルをつけるのはいつも難しいですが、いいタイトルが決まると筆も進みます。 温室の脳内モデルはロンドン、王立キューガーデンの巨大な