「本物ならすごいことになる」-。織田政権下のものとみられる検地帳が兵庫県内の男性所蔵者から持ち込まれたのは一昨年10月だった。県立歴史博物館の前田徹学芸員らは1年半近くをかけ、内容の解読や分析を進めてきた。見えてきたのは、秀吉による「天正8(1580)年播磨検地」の画期的な価値。社会全体を中世から近世へと転換させる政策だったという。 「大もん 九畝(せ) 下 九斗九升 三野村 宗次郎」…。今回発見された検地帳に書かれていた地名や面積、分米高といった項目は、太閤検地として知られる文禄年間の検地帳と一致していた。また斗代(とだい)と呼ばれる1反(当時は約12アール)当たりの米の税率も、上田(じょうでん)で1石3斗(約195キロ)、下田(げでん)で1石1斗(約165キロ)など、文禄期の標準値に近いものとなっており、検地の成熟度を物語る。 名請人の名前は一部を除いて名字がなく、百姓の身分を示す。さ
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