古代播磨の地理や産物などを記録した「播磨国風土記」の原本を“再現”する試みを、郷土史家らでつくる西播磨歴史研究会(城内義夫会長)が進めている。ほぼ同時代の出土品などから原本は「木簡」であったと推察するメンバーは「紙が貴重品であった当時、このような形で兵庫・播磨の様子が伝えられたはずだ」と自信を持って話す。(大山伸一郎) 朝廷が713(和銅6)年に命じて始まった播磨国風土記の編さんは、1300年前の715(霊亀元)年ごろ完了したとされる。播磨の10郡の記述がある現存する最古の伝本は国宝に指定され、奈良県天理市で所蔵されている。しかし、原本の形態がどのようなものだったかは明らかになっていない。 同研究会は、3年前に福岡県太宰府市で発掘された7世紀後半の戸籍木簡に注目した。複数の木板に整理用の小さな木札が取り付けられた形を、当時の特徴と判断。現存する播磨国風土記に当時の播磨国の明石、赤穂両郡の記