厚生労働省は先月、飲食店などで豚の肉やレバーの生食提供を禁止する方針を決めた。このため、「今度はジビエ(野生鳥獣)が代替品として生食されるのではないか」と心配されている。地方の町おこしなどで新たなグルメとして脚光を浴びるジビエだが、専門家は「生食はだめ」と呼び掛けている。(平沢裕子) ◆増える処理数 ジビエは、狩猟によって食材として捕獲された野生鳥獣を意味するフランス語。フランスでは一流レストランなどで旬の食材として利用されることも多い。日本でもイノシシ肉のぼたん鍋やシカ肉のもみじ鍋があるが、これらの肉は家畜の牛豚のように供給が安定しないこともあり、一般的に食べられるものではなかった。 しかし、近年、野生鳥獣による農作物被害が拡大。駆除対象として狩猟された鳥獣を食肉として利用するケースが増えている。 エゾシカによる農林業被害対策で、北海道は平成22年から毎月第4火曜日を「シカの日」とし、ホ