東京都議会から国政進出を目指した政治団体「ファーストの会」は15日、公示が目前に迫った衆院選で候補者の擁立を断念した。華々しい設立会見から2週間足らずでの撤退。代表を務める荒木千陽(ちはる)都議(39)はこの間、再三の取材に「詳しくは後日」と繰り返すばかり。結局最後まで十分な説明は聞けなかった。(加藤健太) 15日午後7時前、照明が落とされて薄暗くなった議事堂の廊下に、帰途に就く荒木氏が現れた。登庁を知らせる名前のランプは消えていたはずだ。身を隠したい事情があったのだろうか。「プレスリリースの通りです」と言い残し、足早に立ち去ろうとする荒木氏を記者団が呼び止めた。 荒木氏はしぶしぶ取材に応じ、「総合的に判断して擁立を見送った」「来るべき選挙に向けて頑張りたい」と淡々と答えた。質疑を一方的に切り上げた後、「本来は会見を開いて説明するべきでしょう」と迫る記者団を振り切り、立ち去った。