身近な存在なのに謎がいっぱいの「ねこ」。長年一緒に暮らしても、その行動や感情表現など、不思議に思うこともたくさんある。朝日文庫『ねこはすごい』(2022年2月)は、ねこの調査研究を行っている動物学者である山根明弘さんが、優れた身体能力や感覚器の鋭さから人間の治癒力まで「すごい」生態を解明する、ねこ好き必読の一冊だ。加えて、全国各地の招き猫、猫碑、猫道祖神などのフィールドワークから、古来から続く日本人と猫との温かな交流の歴史を辿り、日本人の猫との関係性に迫る。本書の「はじめに」と「目次」を特別に公開する。まずは立ち読み気分で、あなたの知らないねこのすごさを知ってほしい。 ■はじめに 日本人は世界有数の「ねこ好き」国民といわれています。街のなかで、ごくあたり前のように「ねこのキャラクター」や「ねこグッズ」を目にするのは、どうやら日本特有の光景のようです。外国人から見ると多くの驚きがあるそうです