私が新聞社に勤めていた時の話である。週に1回ほどのペースで本社の「泊まり」が回ってくる。昼勤を終えて午後6時頃、本社の社会部デスク席につく。そのまま午前2時前後の朝刊最終版締め切りまで「デスク」(社会部の次長。入社年次20年前後)の横に座って朝刊をつくる内勤仕事の手伝いをするのだ。 デスクは取材のコントロールセンターであり、紙面にミスがないかを点検するゴールキーパーでもある。事件の第一報が飛び込んでくると、まず一番に飛び出すのが当時の私のような下っ端の仕事だった。そしてその夜はそのまま帰宅せずに会社の「カイコ棚」(宿直室の2段ベッド)で寝る。 デスクの座っている机の横に、月単位のでかいカレンダーが貼ってあった。月に何日か大きな赤いマルが記してあった。それは何ですか、と聞くと「××事件があった日。『あれから何年』って記事が来るからその日はラクだぞ」とデスクはにやりと笑った。 事件の多い日は忙
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