フォッサマグナ 藤岡換太郎 講談社ブルーバックス 2018 編集:山岸浩史 協力:竹之内耕・松田時彦・平田大二・西川徹・高橋直樹・矢島道子 装幀:芦澤泰偉・児島雅淑 エドムント・ナウマンが北海道を除く日本の地質図を初めて完成させたのは、明治18年のことである。20万分の1の地質図だった。 ナウマンはザクセン王国マイセンで生まれたドイツの地質学者で、明治8年にお雇い外国人教師として日本政府に招かれた。まだ21歳だ。文部省の金石取調所、東京開成学校をへて、若くして東京帝国大学理学部の地質ならびに採鉱冶金学の教授をみごとに務めた。 活動も広い。モースとともに貝塚の調査研究にも熱心だったし、古代マンモス「ナウマン象」の命名者ともなった。オランダ帰国寸前のシーボルトの協力者でもあった。しかし、なんといっても「フォッサマグナ」の発見者また命名者として、われわれ日本人はナウマン先生に頭が上がらない。 ナ