大阪府泉南地域のアスベスト(石綿)紡織工場の元労働者や近隣住民29人と遺族らが、中皮腫や肺がんなど深刻な健康被害を受けた責任は規制・対策を怠った国にあると、計9億4600万円の損害賠償を求めている泉南アスベスト国賠訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁でありました。 三浦潤裁判長(田中澄夫裁判長代読)は、国民の健康を守るうえで危険性情報の提供や必要な規制・対策を怠った国の不作為責任を初めて認めた一審判決を、全面的に取り消し、争点となっていた近隣住民らの健康被害についても賠償請求を棄却しました。 判決は、「厳格な許可制の下でなければ操業を認めないというのであれば、工業技術の発達及び産業社会の発展を著しく阻害する」と述べています。 原告団、弁護団は「国民の生命、健康よりも経済発展を優先させた国の責任を不問に付す暴挙である」「不当判決に抗議する」と声明を発表。 村松昭夫弁護士は「行政の行いをすべて追