今日、自動車のデザイン作業は、クリエイティブに見えて、決してそれだけではない。仕向け国すべての保安基準に適合させるのは極めて大変な仕事だ。ライバル車を意識してコストも考慮しなければならない。 姉妹車と同じワイヤハーネス(配線の束)を使う場合、灯火類の位置はおのずと決まってしまう。デザイン開発は、いわば方程式を解くようなものである。それを世界各地にあるデザイン拠点とチームワークで進行してゆく必要がある。デザインダイレクターには、センス以上に管理職としての高い資質が求められる。 いっぽう、カーデザイナー個人が、もっと自由に創造の翼を広げることができた時代があった。クルマが今のようにグローバル商品化する以前の1970年代までである。 ドイツ車はよりドイツ車らしく質実剛健で、イタリア車はよりイタリア車らしく華麗だった。 そうしたなか、フランスのシトロエンは、よりアバンギャルドなデザインで、独自の存
モダンデザインの先駆者として評価される松山市出身の画家・図案家、杉浦非水の作品や資料など約600点を一堂に紹介する企画展「杉浦非水-開花するモダンデザイン-」が同市の愛媛県美術館で始まり、多くの美術ファンが訪れている。3月30日まで。 非水は明治9年、松山市に生まれ、日本画を志し、東京美術学校(現・東京芸術大学)日本画選科に進み、洋画家、黒田清輝との出会いを通じて、西洋美術やアール・ヌーヴォーの影響を受け、図案家として歩んだ。明治から昭和初期、図案や雑誌の表紙、ポスターなどを制作し、一世を風靡(ふうび)。デザインの存在を社会に定着、普及させ、多摩帝国美術学校の創立に尽力した。 展示は三越やカルピス、東京地下鉄などのポスターや書籍の装丁、雑誌の表紙、日本画などの作品のほか、ライフワークとしていた植物の写生画、ヨーロッパ留学時代の写真やコレクション、日記、身の回りの品々など非水のまなざしやプラ
新潟県内、かつて信越本線・北陸本線だった北陸新幹線の“並行在来線”を運営する第三セクター企業、えちごトキめき鉄道。ここに、あのJR九州「ななつ星」に勝るとも劣らない人気を博している観光列車がある。 「えちごトキめきリゾート雪月花」――。銀朱色に塗られた高級感たっぷりの2両編成の車両に、天井部分まで大きく設けられた窓や展望ハイデッキ、上越出身のトップシェフが地元・上越産の食材を鮮やかに仕上げた料理も大評判だ。食事付きのコースで1万4800円と少々高めの料金だが、上越妙高発ならば妙高高原で折り返して糸魚川まで約3時間少々の上質な旅を楽しむことができる。 そして、この「雪月花」の車両をデザインしたのが株式会社イチバンセン代表のデザイナー川西康之氏である。はたして「雪月花」はいかにして誕生したのか。 観光列車計画の背景に危機感 「最初に話を頂いたのは、2011年か2012年くらい。もちろん営業開始
日本を代表する建築家の一人、村野藤吾(1891~1984)が戦時中に設計した日本製鉄(現・新日鉄住金)八幡製鉄所の工場が、北九州市戸畑区に現存し、稼働していることが分かった。刊行されている村野の年譜には同製鉄所の複数の工場を設計したとの記録があるが、実際に建てられたのかはこれまで不明で、「幻の工場」だった。 村野が設計したのは、八幡製鉄所の戸畑地区にあるロール加工工場。幅60メートル、奥行き150メートルの鉄骨造で、新日鉄住金の子会社の日鉄住金ロールズが所有している。1941年に建てられ、当時も今も、鉄板を延ばす円柱のロールを製造している。 京都工芸繊維大の笠原一人・助教(近代建築史)がこのほど、同大の美術工芸資料館が所蔵する5万点を超える村野の図面の中から八幡製鉄所の三つの工場の設計図を確認した。 設計図の表題はいずれも八幡製鉄所が所有する建物の記録と一致。その一つが「戸畑ロール旋削工場
日清の“どん兵衛”と画家の“ラッセン”が共にデビュー40周年を迎えることを記念して、ラッセンさんが「かき揚げを描きあげる」という奇跡のコラボが実現しました。何を言っているのかよく分からないと思いますが、筆者もよく分かりません。 ラッセンさんの描いた鬼かき揚げ(画像は特設サイトより) クリスチャン・ラッセンさんはイルカやクジラ、シャチなどの海洋生物の絵で知られるアメリカの画家。最近ではお笑い芸人・永野さんのネタに登場することでもおなじみです。 そんなラッセンさんが同コラボの特設サイトでどん兵衛のぶ厚い「鬼かき揚げ」への思いや作品へのこだわりを語り、同作品を描きあげるまでのメイキング動画を公開しています。 ラッセンさん何してるんですか マリンアートの巨匠が本気でかき揚げを描きあげるとこうなる さらに同サイトでは「ラッセンの鬼描き揚げ講座」なるものまで開催。12月7日~2017年1月31日までの
From Kentaro Matsuo THE RAKE JAPAN 編集長、松尾健太郎が取材した、ベスト・ドレッサーたちの肖像。”お洒落な男”とは何か、を追求しています! 新保哲也さん 株式会社 新保哲也アトリエ 代表取締役社長、一級建築士 interview kentaro matsuo photography tatsuya ozawa 私がピッティに行って、いつも残念に思うのは、日本人は色の使い方が下手だということです(私も含めて)。サイズ感やディテールへのこだわりは世界一なのに、色が地味なので、ちっとも目立たないのです。しかし世の中に、必ず例外はあるもの。今回ご登場頂いた新保哲也さんは、ご覧のように、日本人離れした色彩感覚の持ち主です。 「今日は抑えめにしました」という言葉が、どうしても信じられないのは、私だけではないでしょう。色と柄の洪水のような着こなしは、まるで“歩くアート
風や水など自然エネルギーで動く彫刻で世界的に知られる彫刻家、新宮晋(すすむ)(79)。東日本の美術館で初となる個展「新宮晋の宇宙船」が、神奈川県の横須賀美術館で開かれている。海を前にした美術館の庭や館内に置かれた彫刻は優雅に揺らめき、地球の呼吸を感じさせてくれる。(渋沢和彦) ◇ 美術館正面の「海の広場」に、高さ5メートルほどの彫刻がいくつも設置され、訪れる人たちを誘う。黄色い帆が風ではためき、明るくにぎやか。微風ならのんびりと、強風なら激しく、常に表情を変えていく。あくまでも風まかせだ。館内から見ると、海に浮かんでいる帆船のよう。 美術館内にも風を利用した軽やかな彫刻がある。天井からつるされた「空のこだま」は、軽量の金属の軸と帆で構成。小さな帆がのんびりと揺らめき、無重力空間に迷い込んだような錯覚に陥る。空調や人が歩くかすかな風に反応するほど繊細で、目に見えない空気の流れを視覚で感じさせ
1981年生まれ。服部栄養専門学校卒。料理人として活動する傍ら、2005年、『さよならアメリカ』で群像新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。ほかの作品に『月とアルマジロ』(講談社)、『大人ドロップ』(小学館)、『星空の下のひなた。』(光文社)、『ヒマワリのキス』(徳間書店)、『アクアノートとクラゲの涙』(メディアファクトリー)がある。 長寿の食卓~あの人は何を食べてきたか~ 樋口直哉 1日でも長く生きたい――。きっと多くの人が望むことだろう。では、実際に長生きをした人たちは何を食べてきたのか。それを知ることは、私たちが長く健康に生きるためのヒントになるはずだ。この連載では、歴史に名を残す長寿の人々の食事を紹介。「長寿の食卓」から、長寿の秘訣を探る。 バックナンバー一覧 シュールレアリスムを代表する画家、サルバドール・ダリ。若き頃から数々の作品を世に送り出し、絵画や彫刻作品だけではなくル
ブランド一覧はこちらこの記事を読んだ人が他に読んだ記事試乗記ニュース画像・写真モーターショー自動車ヒストリー特集エッセイクルマ生活Q&AFrom Our StaffデイリーコラムCarScope谷口信輝の新車試乗水野和敏的視点池沢早人師の恋するニューモデル思考するドライバー山野哲也の“目”あの多田哲哉の自動車放談webCGプレミアム記事一覧webCGプレミアムプランとは日刊!名車列伝動画ギャラリープレゼントアウトビルトジャパンニューモデルSHOWCASE失敗しない中古車選びカーマニア人間国宝への道エディターから一言カーテク未来招来マッキナ あらモーダ!読んでますカー、観てますカーおすすめの動画小沢コージの勢いまかせ!!リターンズ自動車保険 トヨタレクサススバルマツダスズキダイハツホンダ日産三菱ポルシェメルセデス・ベンツアウディBMWMINIフォルクスワーゲンボルボルノープジョージャガーアル
服部守悦(はっとりもりよし) = 1959年11月29日生まれ、愛知県出身。武蔵野美術大学 造形学部 工芸工業デザイン学科卒業後の1983年、スズキ自動車株式会社入社。携わったプロジェクトは多岐にわたり、RJCカーオブザイヤー「ワゴンR」(2008年)、「スイフト」(2010年)、日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞「カプチーノ」(1992年)、「エスクードV6」(1995年)、「Kei」(1999年)、「MRワゴン」(2001年、2011年)、「ツイン」(2003年)、「ワゴンR」(2008年、2012年)、「アルト」(2009年)、「ソリオ」(2011年)、「スイフト」(2011年)、「MRワゴン用タッチパネルオーディオ」(2011年)、日本産業デザイン振興会ロングライフデザイン賞「ジムニー」(2008年)、「ワゴンR」(2009年)、日本流行色協会オートカラーアウォードデザイナーズ
会社ロゴマークは企業と消費者をつなぐ接点であり、事業哲学と経営戦略が込められた看板だ。どのマークにも、経営者たちの熱い思いや知られざる物語が存在する。 力強さを漂わせるスズキの「S」マーク。同社のロゴマークのデザインは美術系の大学生から募り、300点余りの候補のなかから選ばれたのが、当時東京芸術大学に在学していた手銭正道氏(故人)の作品だった。 手銭氏といえば、後に新幹線700系の車両デザインなども手がけた工業デザイナー。そんな名デザイナーが学生時代に手がけた「S」マークは1958年から現在まで変わることなく使用されている。四輪車と二輪車を柱に躍進する同社の思いがギュッと詰まったマークといえるだろう。 ※週刊ポスト2014年6月27日号
IDC大塚家具は11月27日、フェラーリ『エンツォ』をデザインした工業デザイナー「ケン・オクヤマ」こと奥山清行氏のコンセプトフロアを、新宿ショールーム1Fにオープンした。奥山氏がデザインしたソファーやイス、ナイフ・フォークなど様々な家具、日用品を展示する。また、奥山氏によるハンドメイドスポーツカー『kode7』を展示する。 27日、ショールームを訪れた奥山氏は「いくらデザインが良くても、実際に見て触れなければ、モノの質感や魅力は分からない。展示場というのはショービジネスと、実際の人の生活との間に存在する。このフロアは“自分たちの生活を想像できる空間”とテーマを決めた」とコメント。続けて自ら手がけた製品について「“モノ”をデザインするのではなく、大事なのは人々のライフスタイルを考えること。クルマにしろ家具にしろ、自分のやっていることは全く同じ」(奥山氏)とコメントした。 伊ピニンファリーナ社
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