冊封(さくほう、さっぽう)とは「冊命封爵」の略であり、主に東アジアの君主制において、君主が臣下に対して爵位名号を与える事である。この際に、何を与えるかを記した詔書も授けるが、これを「冊文」、略して「冊」と言う。通常、受封者は儀式においてこの詔書を読み上げる。なお、皇后や太子の場合は冊立(さくりつ、さくりゅう)と言う[1]。 また、大国の天子が、周辺国の君主と名義上の君臣関係を結ぶことも行われていたが、これによって形成された国際秩序を冊封体制と呼ぶ。 概略[編集] 中国における封建制の基礎となった周の時代、天下国家は家族・一族を束ねる宗法制度(家父長制度)を拡大した物として秩序立てられ、統治理念は「礼」であった。冊命の礼はその中核となる儀式であり、王位継承や諸侯の分封のような重要な政治行為に際して行われた。政治的正当性を示すため、君主の独断によるものではなく、天や天命、祖先の神々の意に沿う物
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