ことわざの「元の黙阿弥(もくあみ)」の発祥の地とされる近鉄奈良駅近くの小西さくら通り商店街(奈良市)の一角に、その由来を解説する立て札が設置された。 黙阿弥は近くに住んでいた盲目の法師。戦国武将の筒井順昭と顔立ちや声がそっくりで、影武者を務めた後、元の法師に戻ったという故事が伝わる。順昭は28歳で病死する前、幼かった嫡男の順慶が成長するまで、自身の死を隠し影武者を置くよう遺言を残していた。 立て札(縦0・9メートル、横1・8メートル)は、順昭の菩提(ぼだい)寺の圓證(えんしょう)寺が移転する1985年まであった場所の近くに小西通商店街振興組合(津田辰雄理事長)が設置。同寺の服部鳳圓住職による解説文と寺の写真を掲げる。 ことわざの意味は、一旦、良い状態になったものが再び元の状態に戻ること。だが、寺では「物事が成就し、成功して原点に返る」という意味で伝えられているという。津田理事長(73)は「