妊婦の血液検査で胎児の染色体異常を検出する新しい出生前診断が大きな関心を集めている。それを複雑な思いで見つめるのが、信州大准教授の玉井真理子さん(52)だ。遺伝カウンセリングで妊婦の選択を支える臨床心理士であると同時に、ダウン症の長男拓野さん(30)を育てた母でもある。「検査法があると受けないことは難しくなっていく。そこに怖さを感じる」と玉井さん。自らの体験も踏まえ、慎重な運用が必要と語る。 〈新検査が検出するのは計3種の染色体異常。だが報道では「ダウン症などの」と説明される〉 それが嫌で。なぜダウン症ばかり取り上げるの? と感じます。 長男は大学4年で産みました。いわゆる「できちゃった婚」で。ダウン症の診断は出産後ですが、よく聞く「目の前真っ暗」にはならなかった。障害がある子と遊ぶボランティアをしていて、そのお母さんたちを見たことが大きかったのかも。子どもに尽くす模範的な母親とかで